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今月の表紙は二〇一六年一月に五十一歳で亡くなったジャーナリストの竹田圭吾さん。
[竹田裕子『一〇〇万回言っても、言い足りないけど―ジャーナリスト竹田圭吾を見送って―』刊行記念対談]

波 2017年1月号

(毎月27日発売)

102円(税込)

雑誌の仕様

発売日:2016/12/27

発売日 2016/12/27
JANコード 4910068230171
定価 102円(税込)


平岩弓枝/なつかしい面影 第4回

[竹田裕子『一〇〇万回言っても、言い足りないけど―ジャーナリスト竹田圭吾を見送って―』刊行記念対談]
山本一郎×竹田裕子/エビデンスを重んじる「男の子」だった竹田圭吾の素顔

塩野七生『ギリシア人の物語II 民主政の成熟と崩壊』
佐伯啓思/「民主主義」の真実

フィオナ・ヒル、クリフォード・G・ガディ/著、濱野大道、千葉敏生/訳、畔蒜泰助/監修『プーチンの世界―「皇帝」になった工作員―』
佐藤 優/プーチンのロシアについて最良の教科書

アリス・フェルネ、デュランテクスト冽子/訳『本を読むひと』(新潮クレスト・ブックス)
水村美苗/ジプシーの大家族と一人の「よそ者」

養老孟司『骸骨考―イタリア・ポルトガル・フランスを歩く―』
高橋秀実/身も蓋もありません

[特別対談〈前篇〉]
宮崎 駿×養老孟司/合計154歳、ふたりがいま夢中なこと。

柴田よしき『さまよえる古道具屋の物語』
東えりか/描き出された、美しく幻想的な絵に感嘆

滝田愛美『ただしくないひと、桜井さん』
青木千恵/「悩んだ者勝ち」と考えたい

[山本一力『カズサビーチ』刊行記念対談]
山本一力×鈴木光司/歴史は船でやって来た!

西原理恵子、佐藤優『とりあたまGO―モンスター襲来!編―』
茂木健一郎/アイスクリームの冷たさとコーヒーの熱さ

太田和彦『太田和彦の居酒屋味酒覧〈決定版〉精選204』
有田芳生/今宵も呑兵衛は太田本を手に日本文化を守る

[白洲正子、牧山桂子『白洲正子のおしゃれ―心を磨く88の言葉―』刊行記念インタビュー]
牧山桂子/「スマート」であるかどうか

小竹めぐみ、小笠原舞『いい親よりも大切なこと~子どものために“しなくていいこと”こんなにあった!~』
小竹めぐみ、小笠原舞/子育てのつらさは9割が思い込み!?

新井信昭『レシピ公開「伊右衛門」と絶対秘密「コカ・コーラ」、どっちが賢い?―特許・知財の最新常識―』
新井信昭/知財を制する者はビジネスを制する

篠田節子『銀婚式』(新潮文庫)
北上次郎/男にとって仕事とは何か

[窪 美澄『よるのふくらみ』文庫化&『変態だ』映画化記念 スペシャル・トーク]
窪 美澄×前野健太/小説と中出しとロックンロール!

【コラム】
芸術新潮編集部/編『神々が見える神社100選』
高山れおな/神々の住まいへ誘う最新ガイド

とんぼの本編集室だより

水月昭道『お寺さん崩壊』(新潮新書)
水月昭道/お坊さんだって、ワーキングプア

さだまさし/『はかぼんさん―空蝉風土記―』
宮崎香蓮/新潮文庫で歩く日本の町

【連載】
戌井昭人/煙たかろう、さのよいよい 新連載
ジェーン・スー/生きるとか死ぬとか父親とか 第11回
山下洋輔/猛老猫の逆襲 山下洋輔旅日記 第10回
津村記久子/やりなおし世界文学 第32回
野村 進/多幸感のくに 第2回
堀本裕樹、穂村 弘/俳句と短歌の待ち合わせ 第41回
大澤真幸/山崎豊子の〈男〉 第11回
木皿 泉/カゲロボ日記 第33回
瀧井朝世/サイン、コサイン、偏愛レビュー 第82回
佐藤賢一/遺訓 第13回
ミランダ・ジュライ(岸本佐知子訳)/最初の悪い男 第10回

編集室だより  新潮社の新刊案内  編集長から

立ち読み

編集長から

今月の表紙は竹田圭吾さん

◇今月の表紙は、二〇一六年一月に五十一歳で亡くなったジャーナリストの竹田圭吾さん。がんを告知されてから二年三か月後に亡くなりました。TV出演中に病を公表し、死の六日前まで仕事を続けたことは記憶に新しいと思います。夫人の竹田裕子さんの新刊『一〇〇万回言っても、言い足りないけど―ジャーナリスト竹田圭吾を見送って―』は、ある雑誌社での出会いから覚悟の別れまでを描き切り、惻々と胸をうちます。とりわけタイトルにもなった手紙の件りは、少しだけ大げさに言えば、男泣きに泣きました。本号の裕子さんと山本一郎さんの対談共々、どうぞお読み下さい。ちなみに表紙の写真は、編集長を務めた「ニューズウィーク日本版」編集部での一枚。
朝井まかてさんの『』が中山義秀文学賞を、葉室麟さんの『鬼神の如く―黒田叛臣伝―』が司馬遼太郎賞を、受賞しました。二冊とも隣席の(かつて居酒屋評論家・太田和彦氏の文中で「眼鏡美人秘書」として酔払いぶりを活写されて業界内で評判をとった)編集者が担当しました。自分の作った本の立て続けの受賞を全身で喜ぶ編集者、という図はいいものです。
遠藤周作さんの名作『沈黙』が、マーティン・スコセッシ監督によって映画化されました(一月二十一日公開)。バチカンで試写が行われ、監督はローマ法王に十七世紀の隠れ切支丹が拝んだマリア像を贈り、法王は「『沈黙』は読んだことがある。日本へ布教に行きたかった」と語った由。日本の戦国期の切支丹数は四十~六十万人、今の日本のカトリック信者数とあまり変わりませんが、当時の人口は今の十分の一でした。そこに起きた禁教と〈神の沈黙〉をめぐるドラマは、原作の発表後五十年たった今でも色あせることはありません。映画も原作も、そして一月刊行の遠藤周作名講演集『人生の踏絵』もぜひ!
◇先月号から野村進さんのノンフィクション「多幸感のくに」、今月号から戌井昭人さんの小説「煙たかろう、さのよいよい」の連載開始。それぞれ、出雲と世田谷という土地と人間に真っ向から取り組みます。

◇新潮社ホームページ、リニューアル!
http://www.shinchosha.co.jp/
◎新シリーズ「村上柴田翻訳堂」刊行中。
http://www.shinchosha.co.jp/murakamishibata/

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バックナンバー

雑誌バックナンバーの販売は「発売号」と「その前の号」のみとなります。ご了承ください。

雑誌から生まれた本

波とは?

 1967(昭和42)年1月、わずか24ページ、定価10円の季刊誌として「波」は誕生しました。新潮社の毎月の単行本の刊行数が10冊に満たず、新潮文庫の刊行も5冊前後という時代でした。こののち1969年に隔月刊に、1972年3月号からは月刊誌となりました。現在も続く「表紙の筆蹟」は、第5号にあたる1968年春季号の川端康成氏の書「風雨」からスタートしています。

 創刊号の目次を覗いてみると、巻頭がインタビュー「作家の秘密」で、新作『白きたおやかな峰』を刊行したばかりの北杜夫氏。そして福田恆存氏のエッセイがあって、続く「最近の一冊」では小林秀雄、福原麟太郎、円地文子、野間宏、中島河太郎、吉田秀和、原卓也といった顔触れが執筆しています。次は大江健三郎氏のエッセイで、続いての「ブックガイド」欄では、江藤淳氏がカポーティの『冷血』を、小松伸六氏が有吉佐和子氏の『華岡青洲の妻』を論評しています。

 創刊から55年を越え、2023(令和5)年4月号で通巻640号を迎えました。〈本好き〉のためのブックガイド誌としての情報発信はもちろんのことですが、「波」連載からは数々のベストセラーが誕生しています。安部公房『笑う月』、遠藤周作『イエスの生涯』、三浦哲郎『木馬の騎手』、山口瞳『居酒屋兆治』、藤沢周平『本所しぐれ町物語』、井上ひさし『私家版 日本語文法』、大江健三郎『小説のたくらみ、知の楽しみ』、池波正太郎『原っぱ』、小林信彦『おかしな男 渥美清』、阿川弘之『食味風々録』、櫻井よしこ『何があっても大丈夫』、椎名誠『ぼくがいま、死について思うこと』、橘玲『言ってはいけない』、ブレイディみかこ『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』、土井善晴『一汁一菜でよいと至るまで』などなど。

 現在ではページ数も増えて128ページ(時には144ページ)、定価は100円(税込)となりました。お得な定期購読も用意しております。
 これからも、ひとところにとどまらず、新しい試みを続けながら、読書界・文学界の最新の「波」を読者の方々にご紹介していきたいと思っています。