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特集:和田 竜『忍びの国』刊行記念

波 2008年6月号

(毎月27日発売)

105円(税込)

雑誌の仕様

発売日:2008/05/27

発売日 2008/05/27
JANコード 4910068230683
定価 105円(税込)

[桐野夏生『東京島』刊行記念インタビュー]
桐野夏生/人間が生きるために必要とする物語を

井上荒野『切羽へ』
川本三郎/一人でする恋愛

[石田衣良『夜の桃』刊行記念インタビュー]
石田衣良/絶望でも希望でもない、ここではないどこかへ

東 浩紀+桜坂 洋『キャラクターズ』
大森 望/すべてが“ネタ”になる

特集[和田 竜『忍びの国』刊行記念]
和田 竜/「無門の一関」を突く 伊賀忍びvs織田軍一万余
児玉 清/痛快無比の忍者小説

関川夏央『家族の昭和』
船曳建夫/当たり前の人の世の営み

松尾スズキ『ドブロクの唄』
米光一成/笑っている人も笑われている人も

立川談志 聞き手・吉川 潮『人生、成り行き―談志一代記―』を読んで
太田 光/私は、もう怖くないのだ

[佐野眞一『甘粕正彦 乱心の曠野』刊行記念対談]
山根貞男×佐野眞一/戦後に受け継がれた「世界観」

『日本鉄道旅行地図帳 全線・全駅・全廃線』
酒井順子/“鉄道視力”を鍛える画期的な地図帳

前川孝雄『頭痛のタネは新入社員』(新潮新書)
前川孝雄/今年の新入社員の正体は

レオニード・ツィプキン『バーデン・バーデンの夏』(新潮クレスト・ブックス)
青山 南/漂流する想いのなかで

北尾トロ『男の隠れ家を持ってみた』(新潮文庫)
下関マグロ/何気ない日常こそが面白い

新潮選書フェア
北村 薫『北村薫の創作表現講義―あなたを読む、わたしを書く―』
【対談】宮部みゆき×北村 薫/「この面白さがわかれば、小説が書けます!」

デイヴィッド・ストローン『地球最後のオイルショック』
堺屋太一/ゆっくりと進む油断! 避け難い現実を描く

長山靖生『天下の副将軍―水戸藩から見た江戸三百年―』
長山靖生/水戸黄門は、何を目指していたのか?

椎名 誠『「十五少年漂流記」への旅』
【インタビュー】椎名 誠/輝きを放ち続ける物語

谷沢永一『人間通』
斎藤由香/心にしみる辛口人生論

長部日出雄『マックス・ヴェーバー物語―二十世紀を見抜いた男―』
安倍 寧/大学者の孤独な魂

コラム
豊崎由美/新潮クレスト・ブックス創刊10周年によせて
とんぼの本編集部通信
三橋曉の海外エンタ三つ巴

連載
松久 淳+田中 渉/あの夏を泳ぐ 天国の本屋 第9回
桶谷秀昭/素人の読む『資本論』 第5回
西村 淳/身近な物で生き残れ! 第10回
宮城谷昌光/古城の風景 第60回 興国寺城
日高敏隆/猫の目草-楠若葉
花村萬月/百万遍 流転旋転 第18回
佐藤寛子/グラビアアイドルのヨムヨム生活(10)
池谷伊佐夫/古本つれづれ草 最終回
秋山 駿/忠臣蔵 第9回
保阪正康/即位と崩御 第18回
鹿島 茂/パリの日本人 第4回
東 直子/薬屋のタバサ 第10回

第二十一回三島由紀夫賞・山本周五郎賞決定発表

編集室だより 新潮社の新刊案内 編集長から

編集長から

◇第二十一回の三島由紀夫賞・山本周五郎賞(主催・財団法人新潮文芸振興会)の受賞作が決定しました。
 三島由紀夫賞を受賞したのは、田中慎弥氏の『切れた鎖』(新潮社)。なおこの作品集に収録された短篇「蛹」は、第三十四回川端康成文学賞(主催・川端康成記念会)を受賞しています。
 山本周五郎賞は、今野敏氏の『果断 隠蔽捜査2』(新潮社)と伊坂幸太郎氏の『ゴールデンスランバー』(新潮社)のそれぞれ甲乙つけがたい二作が受賞。
『果断 隠蔽捜査2』は、第六十一回日本推理作家協会賞〈長編及び連作短編集部門〉を、『ゴールデンスランバー』は、第五回本屋大賞を、それぞれダブル受賞しています。また、今野敏氏の「隠蔽捜査」シリーズ第三弾の「乱雲 隠蔽捜査3」は、小説新潮誌上で好評連載中です。
 また、最相葉月氏の『星新一 一〇〇一話をつくった人』(新潮社)が、第六十一回日本推理作家協会賞〈評論その他の部門〉を受賞しました。
 第二十九回講談社ノンフィクション賞、第二十八回日本SF大賞、第三十四回大佛次郎賞に続き、栄えある四冠を達成したこととなります。
◇今月の表紙の筆蹟は、この五月に長編小説『東京島』が刊行された桐野夏生氏。
「もしもし、お母さん? あたし、生きてたのよ」という一節は、作中で主人公が語る言葉からとられたものです。
◇今月号で池谷伊佐夫氏の「古本つれづれ草」の連載は終了いたします。一年間のご愛読ありがとうございました。

バックナンバー

雑誌バックナンバーの販売は「発売号」と「その前の号」のみとなります。ご了承ください。

雑誌から生まれた本

波とは?

 1967(昭和42)年1月、わずか24ページ、定価10円の季刊誌として「波」は誕生しました。新潮社の毎月の単行本の刊行数が10冊に満たず、新潮文庫の刊行も5冊前後という時代でした。こののち1969年に隔月刊に、1972年3月号からは月刊誌となりました。現在も続く「表紙の筆蹟」は、第5号にあたる1968年春季号の川端康成氏の書「風雨」からスタートしています。

 創刊号の目次を覗いてみると、巻頭がインタビュー「作家の秘密」で、新作『白きたおやかな峰』を刊行したばかりの北杜夫氏。そして福田恆存氏のエッセイがあって、続く「最近の一冊」では小林秀雄、福原麟太郎、円地文子、野間宏、中島河太郎、吉田秀和、原卓也といった顔触れが執筆しています。次は大江健三郎氏のエッセイで、続いての「ブックガイド」欄では、江藤淳氏がカポーティの『冷血』を、小松伸六氏が有吉佐和子氏の『華岡青洲の妻』を論評しています。

 創刊から55年を越え、2023(令和5)年4月号で通巻640号を迎えました。〈本好き〉のためのブックガイド誌としての情報発信はもちろんのことですが、「波」連載からは数々のベストセラーが誕生しています。安部公房『笑う月』、遠藤周作『イエスの生涯』、三浦哲郎『木馬の騎手』、山口瞳『居酒屋兆治』、藤沢周平『本所しぐれ町物語』、井上ひさし『私家版 日本語文法』、大江健三郎『小説のたくらみ、知の楽しみ』、池波正太郎『原っぱ』、小林信彦『おかしな男 渥美清』、阿川弘之『食味風々録』、櫻井よしこ『何があっても大丈夫』、椎名誠『ぼくがいま、死について思うこと』、橘玲『言ってはいけない』、ブレイディみかこ『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』、土井善晴『一汁一菜でよいと至るまで』などなど。

 現在ではページ数も増えて128ページ(時には144ページ)、定価は100円(税込)となりました。お得な定期購読も用意しております。
 これからも、ひとところにとどまらず、新しい試みを続けながら、読書界・文学界の最新の「波」を読者の方々にご紹介していきたいと思っています。