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【特集】世にも奇妙な贋作事件簿 21世紀ブラック・レポート

芸術新潮 2018年1月号

(毎月25日発売)

1,466円(税込)

雑誌の仕様

発売日:2017/12/25

発売日 2017/12/25
JANコード 4910033050186
定価 1,466円(税込)
●目 次

【特集】世にも奇妙な贋作事件簿
21世紀ブラック・レポート


21世紀 贋作事件年表
健全な(?)贋作で人気者のマイアット
ロシア・アヴァンギャルドの闇
フリーダ・カーロの「遺品」に大ブーイング
美術館へ寄贈していた贋作者ランディス
贋作を売ったNYの老舗画廊の閉鎖
何年も贋作にすり替えられていたマティス
ゴッホスケッチ集、ニセモノと言われても出版
トランプのルノワールに贋作疑惑騒動

最新USO(未認定の疑惑の物体)レポート! 文 前橋重二
何でもお任せ! 千変万化の贋作者ショーン・グリーンハル
怪しさ満点も尻尾を出さなかったクリスタル・スカル
次々と名画認定のはずが! 世界が震撼中のルフィニ贋作
コロンブスの半世紀前に米大陸発見!? 驚きの地形図“ヴィンランド・マップ”
聖書の遺物 怒涛の贋作ラッシュの症候群
ジャンヌ・ダルクの遺骨はエジプトのミイラだった!
ガリレオ超レア本の正体はいかに暴かれたか
史上最大の学術フェイク事件 犯人がついに確定!?

鑑定の使命と訴訟のリスク
悩ましき作家財団の今
デダラス財団 理事長
ジャック・フラム インタビュー
文 藤森愛実

中国・複製画村とコラボした現代美術作家
レイラ・パズーキ

世界を揺るがせた歴史的贋作選
ジョヴァンニ・バスティアニーニ
ハン・ファン・メーヘレン/アルチェオ・ドッセナ
偽ボッティチェリ/春峯庵事件/永仁の壺
トム・キーティング/エルミア・ド・ホーリー

「英雄」と「人間」のあいだ
文 斎藤環

真筆か否か? 踊る“名画”大捜査線
カラヴァッジョ/レオナルド・ダ・ヴィンチ
ミケランジェロ/ジョット/レンブラント
フェルメール/ボス/ベラスケス
ヴェロッキオ/ゴッホ

USO FILE 最終弁論
贋作考
――研究者たちは自ら騙される!?
文 前橋重二

COLUMN
(1)贋作者あるある
(2)名鑑定人物語
(3)コレクション来日目前 蒐集家ビュールレはこう騙された文 かないみき

◆ Art News exhibition ◆

レアンドロ・エルリッヒ展で考える
「あたりまえ」って何だろう?

◆ Art News book ◆

絶滅危惧種の「私たちを離さないで」

◆ Review ◆

「THE ドラえもん展」
石川竜一
ヴィム・デルヴォワ「装飾は流転する」展より
ソピアップ・ピッチ

◆ Global News ◆

Basel「ヴィム・デルヴォワ」展
London「モノクローム:黒と白による絵画」展
Paris「シモーヌ・フェルパン:折の世界」展
New York「ローラ・オーウェンス」展

◆ Regular Features ◆

◇ 巻頭 ◇

ちょっといいで書?〈9〉
ストリートで見つけた気になる字
選・文 中澤希水

Goods & Shop

時と光の美術館〈9〉
ショーメ

リ・アルティジャーニ
ルネッサンス画家職人伝〈12〉
ヤマザキマリ とり・みき

◇ 連載 ◇

海外アートStudy最前線〈32〉
文 前橋重二

Around Geijutsu Shincho
『怪人 江戸川乱歩のコレクション』
文 本多正一

定形外郵便〈44〉
文 堀江敏幸

フィリップ・ワイズベッカーの
郷土玩具
十二支めぐり〈4〉[卯]

千 宗屋の
飲みたい茶碗、
点てたい茶碗〈42〉

TONY & INOCCHI
マンガ展評
ちくちく美術部〈31〉

◇ PICK UP ◇

movie 野崎歓
book 諏訪敦
recommend  編集部のおすすめ!
成相肇の やっかい もっかい てんらんかい〈21〉
exhibition 全国展覧会情報

次号予告

▼芸術新潮特別企画

北陸三県でブランドガニを堪能する
JR西日本

連載 美に魅せられて/
アジア文化芸術協会〈22〉
秋篠寺 伝伎芸天像

ART CAFÉ SPECIAL
ART CAFÉ

最新号PICK UP

驚きの贋作事件、最新レポート集

 お久しぶりです。「贋作」特集です。
「芸術新潮」では、1970年代にも80年代にも、贋作特集を組んでいます。最後の特集は、91年でした。さすがにこれだけやると、主な贋作事件はすべて報じ尽してしまった感もありましたが、あれから20年以上が過ぎて、気づいてみれば、また新たな事件は世界中でいくつも起きていました。そこでこのほど、21世紀の最新の贋作事件をレポートする特集をお届けすることにしました。
 大英博物館をはじめとした、世界中の大博物館・美術館がころりと騙されたりするわけですから、ひとつひとつの事件は、どれも驚きに満ち溢れています。
 たとえば、2006年に検挙されたショーン・グリーンハルの場合。この英国人は、きわめて芸域の広い贋作者です。前14世紀エジプトの石彫から、中世ヨーロッパの金工に、ゴーギャン、マン・レイなど近現代のアーティストまで、千変万化。そしてそれを売り歩くのが、なんと老齢の両親です。すっかり落ちぶれ、祖父の蒐集品をあえなく売ることになりまして……云々。なかでもゴーギャン作を装った彫刻は、シカゴ美術館に購入され、初期の傑作として高い評価を受けていました。
 今回取り上げるのは、日本ではあまり報じられたことのない事件ばかりです。ライター前橋重二氏による、もぎたてのレポートをお楽しみください。

この号の誌面

編集長から

美術館も欺いた数々の贋作事件

 贋作の売買に成功するためには、贋作づくりのみならず、来歴の捏造が大きなカギになる。イギリスのグリーンハル一家は、アーティスト志望の息子が贋造を担当、両親がもっともらしい由緒を語りながら営業を担当していた。大英博物館による鑑定を見事にすり抜け、高額で売りさばいた作品もあった。一家総出で悪徳商売に励んでいたわけだが、2006年、ついにお縄に。騙したい贋作者と、ウソを暴く研究者の攻防戦は、いつの時代も繰り広げられている。今月号では前述の一家をはじめ、贋作をめぐる21世紀の事件の数々を紹介。クラーナハやフランス・ハルスの絵画、ソロモンの第一神殿の唯一の由緒物、ジャンヌ・ダルクの遺骨――。ほか、フェルメールやボスの作品など、真贋論争中のオールドマスターにも注目。去る11月、美術品では最高額の508億円で落札されたレオナルド・ダ・ヴィンチの絵画も、これまで弟子が描いたと思われていた作品だ。

芸術新潮編集長 吉田晃子

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