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【特集】新・仁義なき聖書ものがたり
新約聖書ウルトラミラクル・ガイド

芸術新潮 2017年8月号

(毎月25日発売)

1,466円(税込)

雑誌の仕様

発売日:2017/07/25

発売日 2017/07/25
JANコード 4910033050872
定価 1,466円(税込)
●目 次

【特集】
宗教改革500年記念
新・仁義なき聖書ものがたり
新約聖書ウルトラミラクル・ガイド

◆ special features ◆

第一部
四福音書ゴスペルは語る
イエスは斯く生き、斯く死に、斯く甦った
文 架神恭介
プロローグ
01 受胎告知
02 降誕と東方三博士の礼拝
03 割礼と幼児虐殺
04 聖家族
05 洗礼と荒野の誘惑
06 洗礼者ヨハネの死
07 弟子の召命と奇跡
08 山上の垂訓と喩え話
09 変容
10 エルサレム入城
11 最後の晩餐
12 ゲツセマネの祈り
13 捕縛
14 エッケ・ホモ
15 磔刑
16 死と復活
17 昇天
18 ステファノ
19 ペトロ
20 パウロ
エピローグ その後の使徒たち

奇跡の一生を追え! イエスの人生すごろく
新約聖書ざっくり相関図
イラストレーション 五月女ケイ子

教えて新約聖書!
波乱万丈イエスの一代記
答える人 廣石望 イラストレーション 深川優

第二部
聖書と美術 新約版
――聖なる図像が秘める時代のメッセージ
文・図版解説 加藤磨珠枝
Prologue 聖書と美術のややこしい関係
 マリアの乳房にみる母性とエロス
II イエスをめぐる育児の物語
III 磔刑に隠されたメッセージ
IV  キリスト教会の誕生――聖ペトロとヴァチカン
 黙示録――この世の終わりはどう描かれたか

◆ special feature ◆

第2特集
レオナルドvs.ミケランジェロ
時空を超える素描(ディゼーニョ)対決!
文 前橋重二

◆ art news ◆

◇ movie ◇

『ケルズの書』を巡る
アイルランド・アニメの冒険

◇ exhibition ◇

「怖い絵」展ができるまでの
本当にあった怖い話
追跡する人 とに~

鮮烈な画面に秘めた
絹谷幸二の
“双眼”への思い

吉田亮人
今は亡きおばあちゃんと孫の記録

◇ dialogue ◇

荒木経惟×柴崎友香
書くように撮る、撮るように書く

◇ concert ◇

能楽堂で聴く、アルゲリッチの音色
文 恩田陸

◇ review ◇

大庭大介
久野彩子
淺井裕介「そこまでやるか 壮大なプロジェクト展」より
椿貞雄

◇ global news ◇

Wolfsburg「ハンス・オプ・デ・ビーク:アウト・オブ・ジ・オーディナリー」展
New York「ロバート・ラウシェンバーグ:仲間たち」展
London「ファラルニッサ・ゼイド」展
Paris「ドラン、バルテュス、ジャコメッティ 芸術家の友情」展

◆ regular features ◆

◇巻頭◇

ちょっといいで書?〈4〉
【ストリートで見つけた気になる字】
選・文 中澤希水

GOODS & SHOP

時と光の美術館〈4〉
シャネル

◇ 連載 ◇

定形外郵便〈39〉
文 堀江敏幸

原田マハ、美のパイオニアに会いに行く〈15〉
リシャール・コラス

海外アート
Study最前線〈27〉
文 前橋重二

千 宗屋の
飲みたい茶碗、
点てたい茶碗〈37〉

TONY & INOCCHI 
マンガ展評
ちくちく美術部〈27〉

◇ PICK UP ◇

movie 野崎歓
book 諏訪敦
recommend  編集部のおすすめ!
成相肇の やっかい もっかい てんらんかい〈16〉
exhibition 全国展覧会情報

次号予告

ART CAFÉ

最新号PICK UP

聖書がわかれば、西洋絵画がおもしろくなる

 聖書がわかれば、西洋絵画がおもしろくなる。わかっちゃいるけどなんだか難しそうだし、信者じゃないし……と二の足を踏んでいる方にお勧めしたいのが今回の特集です。ずばり、新約聖書のイエス伝を任侠世界の出来事に見立てて小説化し、泰西名画とともにご紹介しようという趣向。小説化してくれたのは、昨年6月号の特集「仁義なき聖書ものがたり 旧約聖書ヴァイオレンス・ガイド」同様、作家の架神恭介氏です。
 そもそも本特集は架神氏の著書『仁義なきキリスト教史』(ちくま文庫)がネタ元なわけですが、今回はとくに絵画で好まれる主題を選んで執筆を依頼。なかには当然、翻案のむずかしいものもあるわけで、たとえば初っぱなの「受胎告知」、あるいはイエスが天上界と交信をかわす「変容」。いずれも『仁義なきキリスト教史』では割愛されていたシーンだったため、ドキドキしながら原稿の到着を待っていましたが、届いてみると、あまりのわかりやすさ、おもしろさに脱帽。イエス伝とひとくちに言っても4人の筆者がそれぞれにイエス伝(福音書)を書いているので、矛盾があったりしてけっこうややこしいのですが、それらの違いもちゃんとフォローしています。
 しかしハマりすぎには注意。かくいう筆者も最近、国立西洋美術館の常設展にふらりと立ち寄ったところ(キリスト教絵画が多数あります)、展示されている絵がみんな仁義なき世界に見えてしまって頭の中を広島弁がぐるぐる。この「破壊力」をぜひ本誌でお確かめください。

Image
弟子のユダがイエスを裏切るという、「仁義なき」感満載の一場面。本誌では部分図しかご紹介できなかったのでここで全図をどうぞ。スクロヴェーニ礼拝堂にあるジョット・ディ・ボンドーネのフレスコ画連作より。

この号の誌面

編集長から

広島弁だから分かる、新約聖書と宗教画

 広島弁で新約聖書を翻案しながらキリスト教絵画を読み解く。それが今月号の特集「新・仁義なき聖書ものがたり」の試みだ。イエスの生涯はマルコ、マタイ、ルカ、ヨハネによる4つの福音書に綴られているが、それぞれ内容が微妙に異なるのでややこしい。画家たちはその中から逸話をピックアップして絵にしてきた。たとえばゴルゴタの丘へ向かう道行きといえば、イエスが十字架を担っている絵が大多数。だが、その描写はヨハネ福音書にしか見られず、ほかの3つではシモンなる人物に担がせたと書かれている。もちろん、シモンよりイエスが担ったほうが絵力えぢからがある。そんなふうに画家たちは、絵になる場面を選出、あるいは組合せ、そこに想像力を加えて描いた。広島弁で解きほぐすと、その絡み合った関係が分かりやすく面白く理解できるから不思議だ。
 第2特集は、想像力の人レオナルドと、感受性の人ミケランジェロの素描対決。2人の相違と影響関係を探究する。

芸術新潮編集長 吉田晃子

まとめ テーマでくくる 本選びのヒント

そうだったのかキリスト教美術

宗教と美術は切っても切れない関係にあり、そのつながりが見えてくると宗教画や教会建築はもっと楽しめる。

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「暮らし」はアートであるをキャッチフレーズにあらゆる事象を「芸術」という観点から検証し、表現する「芸術新潮」。1950年に創刊され、歴史と文化を見続けてきたハイクオリティなアートマガジン。歴史的な芸術作品から、建築、古美術、現代アートまで、あらゆる「美しきもの」を独自の切り口で紹介しています。