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【大特集】永遠の美少年
深読みアート・ヒストリー

芸術新潮 2017年1月号

(毎月25日発売)

1,466円(税込)

雑誌の仕様

発売日:2016/12/24

発売日 2016/12/24
JANコード 4910033050179
定価 1,466円(税込)
2016年12月号、および2017年1月号「PICK UP EXHIBITION 全国展覧会情報」の内容に誤りがありました。神奈川県川崎市・川崎市岡本太郎美術館「つくることは生きること 震災《明日の神話》」展の広島、兵庫、熊本への巡回はございませんでした。読者ならびに関係者の皆さまにご迷惑をおかけしましたことを、心からお詫び申し上げます。
●目 次

【大特集】
永遠の美少年
深読みアート・ヒストリー


◆ special features ◆

グラフ
泰西名画
美少年カタログ

西洋美術編
深読み美少年美術
文 池上英洋

I 失われる少年の時
II 天上の美 クピドVS天使
III “苦しみと儚さ”にうっとり
IV ソドムな美

COLUMN01 変化する美少年のイメージ
COLUMN02 両性具有こそ美の完成形
COLUMN03 女を知らない清らかさ
COLUMN04 見た目重視な女たちの欲望

写真編
美少年写真は、
何処へ向かう?
構成・文 宮本和英

文学編
書物から立ち上がる
美丈夫イレブン
文 小谷野敦 絵 木村了子

映画編
石川三千花の
映画のなかの
タイプ別美少年リスト
文・イラストレーション 石川三千花

マンガ編
「少年愛」の時代
――耽美という系譜
文 藤本由香里

◆ special feature ◆

第2特集
デヴィッド・ボウイとアート  展覧会情報
ボウイというアート
ファッション・アイコン/クリエイティヴ・プロセス/ジャケット秘話
文 吉村栄一

インタビュー
世紀の展覧会ができるまで
取材・文 伊東豊子

ボウイが愛したアート
コレクターとして/画家として
文 藤森愛実/カレン・ライト

ボウイと日本
文 吉村栄一

◆ art news ◆

◇ exhibition ◇

ヨヘン・レンぺルト
生物学者が集めたイメージの標本箱

◇ book ◇

苦手。でも、おるから撮る。
梅佳代の愛犬写真

◇ review ◇

カウィタ・ヴァタナジャンクール
ヤン・ヨンリァン
高山夏希
「世界遺産 ラスコー展」

◇ global news ◇

New York「ピピロッティ・リスト:ピクセルの森」展
Berlin「フォイエルレ・コレクション」オープン
Paris「ピカソ-ジャコメッティ」展
Milano「ピーテル・パウル・ルーベンスとバロックの誕生」展

◆ regular features ◆

◇巻頭◇

FLOWER
日々の花〈21〉
阿曾一実
文 市村美佳子

PHOTO
作家が覗いたレンズ〈33〉
長嶋有
選・文 森岡督行

GOODS & SHOP

◇ 連載 ◇

リ・アルティジャーニ
ルネッサンス画家職人伝
〈7〉マエストロ・リッピの修業時代2
ヤマザキマリ とり・みき

海外アート
Study最前線〈20〉
文 前橋重二

定形外郵便〈32〉
文 堀江敏幸

換骨奪胎
ホンマタカシの
映像リテラシー〈20〉
アピチャッポンとのSF的邂逅

伊藤まさこの
小さい美術館めぐり
時々おやつ
〈19〉ミュゼ浜口陽三・ヤマサコレクション

もう一杯だけ
呑んで帰ろう。〈32〉
文・写真 角田光代+河野丈洋

千 宗屋の
飲みたい茶碗、
点てたい茶碗〈31〉

TONY & INOCCHI
マンガ展評
ちくちく美術部〈20〉

◇ PICK UP ◇

movie 野崎歓
book 諏訪敦
recommend 編集部のおすすめ!
成相肇の やっかい もっかい てんらんかい〈9〉
exhibition 全国展覧会情報

次号予告

◇ 芸術新潮特別企画 ◇

継活のススメ〈1〉
文化は終わらせてはいけない
加島美術が提唱する継活―ケイカツ―

連載 美に魅せられて/
アジア文化芸術協会〈17〉
鑑真和上坐像

ART CAFÉ SPECIAL
ART CAFÉ

最新号PICK UP

美少年で何が悪い?

「芸術新潮」の編集部、専任の編集者は現在8人、そのうち男性はわずか2人です。
 そんな男女比の中で特集の企画会議をしていれば、「美少年特集」案が出ないはずはありません(?)。この企画が通ってからというもの、画集をめくりネットを泳ぎ、美少年の図版に溺れる日々は幸せではあるものの、うまく着地できるのかしらと不安も半分。
 いっぽう、西洋美術編のテキストをお願いした池上英洋先生と初めて打ち合わせをした際に先生がおっしゃった「以前、美少年をテーマにした単行本の仕事を依頼された時は心配したものの、調べて書いてゆくうち、実におもしろくなってきたんです」との言葉には、たいへん勇気づけられました。先生は共著『美少年美術史』(ちくま学芸文庫)の中で〈美少年の歴史のはじまりは、今日のように女性が美少年を愛でるという方向性のものではなく、男性同士の同性愛にほぼ限られており〉と書いていらっしゃいますが、古代ギリシャの世界ではそもそも同性愛は特殊なものでもなかったわけで……美少年、女性だけじゃなく男性が愛でてはいけないという決まりはありません。
 美術館に足を運ぶのは圧倒的に女性が多数であること、またジャニーズの若者たちがこれだけ活躍していることからも、今の日本では女性の視線が新しい美の価値観を構築しつつあることは、疑いの余地がありません。ただそもそも、美しいと感じる対象は、男性も女性もそれほど違うとは思えないんだけど……なんてことを考えながら、最終的には思いっきり主観に任せて美少年を取りそろえてみました。どうぞこころゆくまでご堪能ください。そうそう、写真編ではついに「美はジェンダーを超えて」しまいますよ!

Image
グイド・レーニ《聖セバスティアヌスの殉教》 1615年頃 ジェノヴァ、ストラーダ・ヌオーヴァ美術館蔵
Image
ドナテッロ《ダヴィデ》 1435~42年頃 フィレンツェ、バルジェッロ国立美術館蔵

この号の誌面

編集長から

時代ごとに変容する美少年2500年史

 美術書や教科書で触れられることはほとんどないが、美術の歴史には「美少年画」というジャンルがある。神話や聖書を典拠とするギリシャ的、キリスト教的な美少年の時代を経て、ルネサンス以降、それは肖像画、風俗画へ、と多様化。その図像ヴァリエーションは大別して4つ、と分析する西洋美術史家の池上英洋氏は、だが具体的な表現はじつにさまざまだと言う。そこで古代ギリシャから現代まで、2500年に及ぶ美少年西洋美術史を追いかけてみた。すると美少年たちは、哲学や教訓、ペスト、新興富裕層の登場など、あらゆる要因を吸収して変容していたのだった。だから幼児化期、アスリート型期、身もだえスタイル大発生期といった流行もある。ほか文学、映画、マンガを彩る面々も紹介。さらに、80年代から増えはじめた美少年写真の現在の動向を探る。
 第2特集はデヴィッド・ボウイ。世界巡回中の大展覧会の来日を機に、アートに造詣が深かったボウイの美意識をのぞく。

芸術新潮編集長 吉田晃子

まとめ テーマでくくる 本選びのヒント

美少年を描く、ということ

美少年が登場する美術や文学には、美少年であるが故の特別なテーマがある。

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「暮らし」はアートであるをキャッチフレーズにあらゆる事象を「芸術」という観点から検証し、表現する「芸術新潮」。1950年に創刊され、歴史と文化を見続けてきたハイクオリティなアートマガジン。歴史的な芸術作品から、建築、古美術、現代アートまで、あらゆる「美しきもの」を独自の切り口で紹介しています。