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私、失敗しないので……なんて医者は信用できない。遠慮忖度一切抜き、真実を射抜く医療論‼

医者の逆説

里見清一/著

799円(税込)

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発売日:2018/01/17

読み仮名 イシャノギャクセツ
シリーズ名 新潮新書
装幀 新潮社装幀室/デザイン
雑誌から生まれた本 新潮45から生まれた本
発行形態 新書
判型 新潮新書
頁数 204ページ
ISBN 978-4-10-610750-4
C-CODE 0247
整理番号 750
ジャンル 人文・思想・宗教
定価 799円

「医者にあるまじき発言」と批判されることもある。が、臨床の現場で悩み、考え抜いてきた著者の言葉は苦く、刺激的である。「“失敗しない”と言う医者を信用してはいけない」「希望はときに患者を苦しめる」「延命よりも大切なものがあるだろう」――コストも人的資源も限られている状況下で、私たちは医療に何を求め、何を諦めるべきか。遠慮も忖度も一切抜き、医者だから見える真実が詰まった比類なき一冊。

著者プロフィール

里見清一 サトミ・セイイチ

本名・國頭英夫。1961(昭和36)年鳥取県生まれ。1986年東京大学医学部卒業。国立がんセンター中央病院内科などを経て日本赤十字社医療センター化学療法科部長。杏林大学客員教授。著書に『死にゆく患者(ひと)と、どう話すか』『医学の勝利が国家を滅ぼす』など。

目次

はじめに
第1章 「信賴閔係」の脆弱性
患者が落ち込む時/失敗しない医者なんかいない/患者を責めても始まらない/信頼を取り戻すのは難しい/フィクションに頼るほかまい医者と患者/かくして医者と患者は敵対する
第2章 「気分の問題」、大問題
医者と死神と成功報酬/納得と同意の違い/インフォームドコンセントの不条理/田舎の納得、都会の不満/気分に大金を浪費してもいいのか
第3章 「最後まで頑張らせる」残酷
ICUの実態/ICUで死ぬこと/最多の患者は70代/年金のために長生きしてほしい/本人の努力不足/何を頑張れというのか
第4章 「希望」という最後の大災厄
最新の癌治療法/希望の残酷さ/薬はあるのに/死ぬまで闘え
第5章 「他人事」感覚が支配する言論の荒野
新聞記者に送った文章/「異見」を怖れる新聞/「真剣な議論が求められている」という逃げ/言論に対する矜持
第6章 「紋切型」適正使用マニュアル
答は分かっているのに/小保方さんに三分の理/内容がないのを誤魔化す/プロ失格/「自由な芸」が支持される時代/紋切型の功罪
第7章 「嫌われ者」の放歌高玲
「オバマを見習え」の大笑い/「嫌われたくない」が滲み出る文章/当たり障りなく世渡りする/日刊ゲンダイとトランプの共通点/声高に他人を攻撃する人たち
第8章 きれいごと「正論」の限界
超過勤務が300時間になると/電通女子社員の悲劇/諸悪の根源は/休日の病院は危ない/他人の無駄遣いを言い訳に
第9章 全国「東京化」ののっぺらぼう
「平等」を振り回す人たち/有権者の目は節穴/地方の東京化で/地元愛が消えていく/教える内容は同じ/地方出身者の特権
第10章 「待てない」気持ちが招く破滅
世論の大合唱/死ぬ前に立つ/開票速報は必要か/当たり前の自己制御/人間は「何もしない」に耐えられない
第11章 大切なものは測れない
新治療の評価は難しい/エンドポイントとは何か/数字で出せない目標がある/医療はデータ以外を軽視してきた/QOLの難しさ/患者のニーズと治療のズレ/延命は誰の望みか
第12章 大切なものはやはり測れない
QOLのデータがない/QOLと離婚の関係/「健康」のハードルは高過ぎる/再発のリスクはどこまで説明すべきか/グレード0から5
第13章 「延命」とは別の、大切な「何か」
放置すれば楽なのか/高齢肺癌患者の手術に関する研究/助かった患者の「その後」を調べる/「こんなはずじゃなかった」の回避
第14章 この世は元に戻らない一方通行
核兵器は不滅/エントロピーとは覆水盆に返らずのこと/善意の危なさ/心のエントロピー/「希望」の灯火は消せない/昔の自分には戻れない
おわりに

担当編集者のひとこと

空気を読んでいません

 新聞やテレビが紋切型の表現を多用するのは今に始まったことではありません。
 代表的なのは、「誰もが納得する結論を出してほしいものです」の類。
 誰もが納得する結論が出せればいいでしょうが、たいていのことはそれが出来ないから問題になっているわけです。
 しかし一方で、紙面や番組ではそういう紋切型のほうが収まりがいいし、無難だから多くの人が多用します。そこで「いや、そんな結論は存在しないでしょう」と言ったら、多分「空気を読まない」と思われます。
 本書の著者は、一貫して「空気を読まない」スタンスで問題提起をしてきました。その結果として、最近では高すぎる抗がん剤の問題が広く知られ、事態の改善につながりました。
 実のところ、著者が講演会で「医者にあるまじき」発言をしても、「誰もがそう思っていることを、よくぞ堂々と言ってくれた」という反応が多いのだそうです。本当は多くの人が、紋切型にうんざりしている。「空気を読んだ」議論にもうんざりしている。そういうことなんだろうと思います。
 本書は臨床医が現場で考え抜いた、遠慮も忖度も一切抜きの医療論です。

2018/01/25

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