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中国人の頭の中

青樹明子/著

770円(税込)

発売日:2015/09/17

  • 新書
  • 電子書籍あり

反日デモ、和食ブーム、「抗日ドラマ」、日本語学習熱、愛国教育、爆買い。ごめんなさい、日本が好きになりました。

大嫌い、なのに大好き──。徹底した反日教育と、量産される「抗日ドラマ」の洗脳にもかかわらず、日本を訪れた中国人の大半は日本を好きになってしまう。それは、「憎むべき日本」が実在しなかったから。最大規模の反日デモの最中にも、日本食レストランには長蛇の列ができ、日本語学習者は増え続けた。「邪悪な日本兵」のステレオタイプと、安心安全の国への憧れの間で揺れる現代中国人の屈折に迫る。

目次
プロローグ
優しくなった日本/我愛、おまわりさん/ステレオタイプの日本とは
一 輝ける日本
杜丘熱/十数億人を征服/「美しい日本人」の登場/山口百恵神話/日本はなぜ愛されたのか
二 メディアと中国人
異形の巨大メディア/共産党の喉と舌/政治談議とニュースが大好き/中国版「朝まで生テレビ!」/東洋のハリウッド/テレビドラマ変遷史
三 「抗日ドラマ」の光と影
「めっちゃ、面白いよ!」/過激化する反日デモ/不満分子のストレス発散/あり得ない悪役ぶり/制作者たちの苦悩/歪んでしまった歴史の真実/エキストラの鬱屈/娯楽化への批判/「我々の愛国教育って何だ?」
四 ごめんなさい、日本が好きになりました
大震災が伝えた真実/冷静・秩序・団結/日本に感謝!/百聞は一見に如かず
五 安心安全の国
日本製品への憧れと信頼/「それなりに高性能」と「本当に高性能」の差/買って買って、買いまくる/粉ミルクは例外よ!/だって安心じゃないか/タダの煙草とタダの豚肉スープ
六 日系企業のイメージ
かたつむりの家/残業が多い、給料が低い、管理が厳しい/日系企業で働いた九十二日間/職習慣上の厳しい掟?/中国人とアルバイト/それでも日系企業に入りたい/健さんが伝えた「仕事の流儀」
七 正しい日本の伝え方
浮き沈んだ人生?/高まる日本語熱/教科書はドラマとアニメ/反日デモより日本食/とんでも和食でもいいじゃない/「ニッポンに酔いしれる」/伝える人で決まる、日本のイメージ
エピローグ
あとがき

書誌情報

読み仮名 チュウゴクジンノアタマノナカ
シリーズ名 新潮新書
発行形態 新書、電子書籍
判型 新潮新書
頁数 192ページ
ISBN 978-4-10-610636-1
C-CODE 0225
整理番号 636
ジャンル 社会学、地理・地域研究
定価 770円
電子書籍 価格 660円
電子書籍 配信開始日 2016/03/11

蘊蓄倉庫

日系企業は厳しいか

 中国に進出する日系企業に対して、中国人が持つイメージの代表が「残業が多い」「給料が低い」「管理が厳しい」の3つだそうです。
 では、彼らは何をもって「管理が厳しい」と考えるのでしょうか。それがなんと、「時間厳守」「公私混同の禁止」「業務時間内の副業禁止」というような、日本人であれば常識としか言いようのない事柄について、強い不満を持っているというのです。
 いずれも大きなカルチャーギャップですが、なかでも副業については、中国では正規の収入以外の所得はあるのが当然。アルバイト収入やリベートなどを含めて「灰色収入」と呼び、一般に正規の収入のほぼ同額を得ているそうです。
掲載:2015年9月25日

著者プロフィール

青樹明子

アオキ・アキコ

愛知県生まれ。早稲田大学文学部卒、同大学院アジア太平洋研究科修了。ノンフィクション作家。北京師範大学、北京語言学院への留学を経て、中国各地のラジオ局で日本語番組のプロデューサー・MCを務める。著書に『「小皇帝」世代の中国』など、訳書に『上海、かたつむりの家』。

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