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背負い続ける力

山下泰裕/著

792円(税込)

発売日:2012/04/17

  • 新書
  • 電子書籍あり

成長するのは、逃げない人間だけである。「史上最強の柔道家」による人生論。

自分より大きなものを背負っている時にこそ、人は大きな力を出せる──。そう考える著者は、あえて中国・南京に柔道場を建て、ロシアのプーチン大統領と交流し、世界中で柔道指導を引き受ける。時に批判を浴びたとしても、現代に生きる一人として、この国をよくすることに責任を感じるからだ。若い頃から「自分ならざるもの」を背負い、結果を出し続けてきた“史上最強の柔道家”が示す「逃げない大人」の覚悟。

目次
はじめに
第一章 期待を背負う
日本一の環境へ飛び込む/「相手を親の仇だと思っていけ!」/具体的目標を持つ/高校一年でインターハイ優勝/松前重義先生との出会い/成長できる環境を求める/後ろ姿で教えてくれた恩師
第二章 日本を背負う
十分な努力が自信を生む/「試合を判断するのはおまえじゃない!」/モスクワ五輪ボイコット/一戦一戦に全力を尽くす/プライドを捨てて挑む者は強い/絶体絶命のピンチに陥ったロス五輪/本当のフェアプレーとは何か/過去の栄光はすべて忘れて構わない/引退を決めた理由
第三章 家族を背負う
祖父の“独創的”子育て/両親の働く背中を見ながら/極度の負けず嫌い/「自分の力の限界を知りなさい」/「日本食禁止令」の真の狙い/ハンディキャップを持つ次男に教えられたこと
第四章 柔道を背負う
創始者・嘉納治五郎が目指したもの/「人づくり」という原点に/井上康生君の優しき心/柔道界の「国際政治」の渦中に/型にはめず、心に訴える/外国人に、人生初の敗北
第五章 教育を背負う
神奈川県体育協会会長に就任する/いじめ防止活動/一般体育が必修科目から外れる/地元高校との提携/武道必修化に期待すること
第六章 世界を背負う
日本の精神を伝える/プーチン氏との縁/「柔道家」プーチン氏の誠意/幻のモスクワ五輪代表、ロシアを訪問/中国柔道界に協力する理由/「病める日本」にスポーツが出来ること
おわりに

書誌情報

読み仮名 セオイツヅケルチカラ
シリーズ名 新潮新書
発行形態 新書、電子書籍
判型 新潮新書
頁数 224ページ
ISBN 978-4-10-610463-3
C-CODE 0275
整理番号 463
ジャンル スポーツ
定価 792円
電子書籍 価格 660円
電子書籍 配信開始日 2012/10/12

蘊蓄倉庫

外国人に「負けた」唯一の機会

 現役時代に圧倒的な強さを見せた山下さんは、試合で一度も外国人に負けたことがありません。対外国人の戦績は116勝3引き分け。その山下さんが人生で一度だけ、外国人に「負けた」ことがあります。2007年に行われた国際柔道連盟の教育コーチング理事選挙です。2003年からこの職にあった山下さんは再選を目指したのですが、柔道界の「国際政治」に巻き込まれ、61対123で大敗を喫してしまいました。本文中ではこの時のことを、「(自分の落選で)国際柔道連盟理事会から日本人理事がいなくなる事態を招いたことに責任を痛感した」と記しておられます。
掲載:2012年4月25日

著者プロフィール

山下泰裕

ヤマシタ・ヤスヒロ

1957(昭和32)年熊本県生まれ。柔道家。東海大学教授。1984年のロサンゼルス五輪で柔道無差別級の金メダルを獲得し国民栄誉賞を受賞。世界選手権3連覇、全日本選手権9連覇、対外国人選手生涯無敗、1985年の引退時まで203連勝など、数々の記録を打ち立てる。

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