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日中ビジネス摩擦

青樹明子/著

748円(税込)

発売日:2003/05/21

  • 新書
  • 電子書籍あり

なぜトラブルに襲われるのか。中国人を知らなすぎる日本人。

精一杯のサービスが民族差別とされてしまった日本航空、債権回収でつまずいた東方リース。不当な行政処罰と闘った北京遊楽園、ショー・ビジネス界の大きな落差に直面した劇団四季、ノートパソコン事件でゆれた東芝中国……。中国は日本の輸出相手国第2位、輸入相手国第1位。にもかかわらずこうしたトラブルがなぜ次々と起こるのか。豊富な具体例を通して、摩擦の背景を探り、明日の対中ビジネスの道を示す。

目次
プロローグ――中国から帰ってみると
五年ぶりの日本。何かとカルチャーギャップを感じる日々が始まった。
第1章 思わぬことが民族差別に――日本航空の試練
懸命に手配した夜食のサンドイッチ。精一杯のサービスがなぜ中国人から「日航・悪夢の旅」と猛反発を浴びてしまったのか。
第2章 信用経済は成立しない――東方リースの悲劇
ファイナンス・リース。国営企業相手のこの新商売は債権回収でつまずいた。法律の未整備ゆえではない。問題は法律が機能するかしないかにあったのだ。
第3章 行政処罰を怖れるな――北京遊楽園の奮戦
ナニ、儲けすぎたから罰金を払え? 知らないよ、そんなもん――。四個不(不合理、不公平、不誠実、不愉快)に挑んだ江戸っ子ビジネスマン。
第4章 ショー・ビジネスは可能か――劇団四季の挑戦
日本とはなにもかもが絶望的に異なっていた。はたしてこの土地で合作ミュージカル『美女と野獣』を上演することは可能だろうか。
第5章 広報のプロを――東芝中国の教訓
今やトラブルは弁護士だけでは解決できなくなっている。ノートパソコン事件で揺れた東芝中国はいかにして再建の道を歩んだのか。
第6章 同文同種は錯覚である――北京師範大学の選択
言葉の感覚も異なれば、もてなしの感覚も異なる。名門の北京師範大学が日本の新設大学を姉妹校に選んだのには理由があった。
第7章 ニセモノと闘え――日系企業の難題
模造品にやられて大きなダメージを受けるか、もしくは彼らを摘発し叩きのめすか。中国進出企業にとっては二つに一つのサバイバル。
第8章 無料は投機を煽る――日本的商法の陥穽
福引き、商品の無料配布……。日本ならどこでも見られる賑わいだが、ときにそれは暴動に発展し、公安(警察)までが出動する結果となる。
第9章 政治から経済・文化へ――日中外交官の声
わが外務省にチャイナ・スクールが存在するように、中国外交部にもジャパン・スクールが存在する。外交のプロである彼らは日中関係をどう捉えているのか。
エピローグ――94jpop.com
このサイトに注目! 中国にも冷静に日本を見る若者たちがいる。

書誌情報

読み仮名 ニッチュウビジネスマサツ
シリーズ名 新潮新書
発行形態 新書、電子書籍
判型 新潮新書
頁数 192ページ
ISBN 978-4-10-610014-7
C-CODE 0233
整理番号 14
ジャンル 政治、経済学・経済事情、経営学・キャリア・MBA、実践経営・リーダーシップ
定価 748円
電子書籍 価格 660円
電子書籍 配信開始日 2012/04/27

蘊蓄倉庫

びっくりニセモノ天国

 中国はニセモノ天国である。
 日本のCDの海賊版はその一例で、パッケージに奇妙な日本語が印刷されていたりする。日本人歌手の歌を勝手に編集した「日本歌星大対唱」の曲名がすごい。今井美樹の「シソテレソ」、小嶋美由紀(小島麻由美!)の「おしルのブルース」。???である。前者は「シンデレラ」、後者は「セシルカットブルース」だった。
 このあたりならまだ笑い話で済む。深刻なのは中国に進出した日本企業である。「HONDA」には「HONGDA」があり、「SONY」には「GONY」があり、「YKK」には「VIKK」がある。対中国ビジネスでは、こうしたコピー製品といかに闘っていくかが課題となっている。
 詳しくは青樹明子『日中ビジネス摩擦』を。

掲載:2003年5月23日

著者プロフィール

青樹明子

アオキ・アキコ

愛知県生まれ。早稲田大学文学部卒、同大学院アジア太平洋研究科修了。ノンフィクション作家。北京師範大学、北京語言学院への留学を経て、中国各地のラジオ局で日本語番組のプロデューサー・MCを務める。著書に『「小皇帝」世代の中国』など、訳書に『上海、かたつむりの家』。

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