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「世界史」に、ビジネスの新しい活路を見いだせ!

世界史を創ったビジネスモデル

野口悠紀雄/著

1,836円(税込)

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発売日:2017/05/26

読み仮名 セカイシヲツクッタビジネスモデル
シリーズ名 新潮選書
装幀 駒井哲郎/シンボルマーク、新潮社装幀室/装幀
雑誌から生まれた本 週刊新潮から生まれた本
発行形態 書籍、電子書籍
判型 四六判変型
頁数 455ページ
ISBN 978-4-10-603804-4
C-CODE 0333
ジャンル オペレーションズ
定価 1,836円
電子書籍 価格 1,469円
電子書籍 配信開始日 2017/11/10

歴史上の国家を“企業”、その活動を“ビジネス”として理解すれば、新たな視点が得られる。ローマ帝国の盛衰、大航海時代の競争、さらに現代のAT&T、グーグル、人工知能についても。人類が経験してきた「成功」と「失敗」から導き出される「歴史法則」とは? 日本社会の停滞を打破する「フロンティア」がここにある。

著者プロフィール

野口悠紀雄 ノグチ・ユキオ

1940(昭和15)年、東京生れ。東京大学工学部卒業後、大蔵省(現・財務省)に入省。1972年エール大学Ph.D.(経済学博士号)取得。一橋大学教授、東京大学教授(先端経済工学研究センター長)、スタンフォード大学客員教授、早稲田大学大学院ファイナンス研究科教授などを経て、早稲田大学ファイナンス総合研究所顧問、一橋大学名誉教授。専攻はファイナンス理論、日本経済論。1980年『財政危機の構造』でサントリー学芸賞、1992(平成4)年『バブルの経済学』で吉野作造賞を受賞、『「超」整理法』『「超」勉強法』など数々のベストセラーでも知られる。最新刊に新潮選書『世界史を創ったビジネスモデル』。

野口悠紀雄Online (外部リンク)

目次

はじめに
序章 ビジネスモデルの原点を探る
1.歴史からビジネスモデルを学ぶ
2.ビジネスモデルの2つの基本概念
第I部 ローマ帝国のビジネスモデル
第1章 先駆者だったため失敗したカエサル
1.『ガリア戦記』の偽善と欺瞞を暴く
2.カエサルの錬金術
3.カエサルと角栄はどこが違うか?
4.カエサルはなぜルビコンを渡れたか?
5.カエサル暗殺、3つの驚き
第2章 国造りの天才アウグストゥス
1.ローマ・モデルを正しく理解していた人
2.なぜオクタビアヌスは勝ち抜いたのか?
3.ローマの指導者となる条件とは
4.戦争のないローマはありうるか?
第3章 すべてのビジネスモデルはローマに発する
1.通商の拡大がローマに繁栄をもたらした
2.「ドイツ帝国論」は現代版の帝国搾取観
3.ローマ帝国ビジネスモデルの基本
4.アメリカは意識的に古代ローマを模倣した
5.現代の企業が事業体としてのローマを継ぐ
番外編(1) ローマ帝国を映画で見る
第4章 ローマ帝国を支えたもの(1) 戦争と奴隷
1.ローマ軍はなぜ強かったか
2.奴隷制度はどのように運営されたか?
3.解放奴隷というユニークな仕組み
第5章 ローマ帝国を支えたもの(2) 異質性の尊重
1.冷徹でしたたかなローマの寛容政策
2.不寛容のコストは恐ろしく高い
3.寛容政策の歴史に学べないのはなぜか?
4.ローマ帝国の基本原理は、異質性の尊重
第6章 ローマ帝国を支えたもの(3) 税制
1.ローマ税制の基礎を作ったアウグストゥス
2.ローマ帝国における税負担は本当に軽かったか?
3.数百年先を見据えた税改革
第7章 アウグストゥスが地上に作った理想国家
1.「神君」の尊称に値する唯一の人
2.アウグストゥスは文化を作り上げた
3.平和国家に新しい役割を見出したアグリッパ
4.ローマはなぜ壮大な植民都市を建設したのか
第8章 蛮族の侵入でなく、ビジネスモデルの破綻で崩壊
1.人類の歴史で最高の帝国が衰退した
2.平和国家になりきれなかったローマ
3.ローマは戦争国家であり続けた?
4.フロンティア拡大の停止は衰退の原因か?
5.外敵の侵入に辛くも持ちこたえたローマ
6.史上空前の大国家が瓦解
7.不寛容と軍がローマを崩壊させた
8.偉大な皇帝が統制でローマを滅ぼす
第9章 ローマ帝国モデルの現代的意義づけ
1.いったん停滞した国が復活できる条件は?
2.EUとローマ帝国はどこが違うのか?
3.江戸幕藩体制とローマ帝国の共通点
4.形式上の中央集権と実態上の蛸壺社会
5.異質を受け入れる勇気が国を強くする
第II部 フロンティア拡大というビジネスモデル
第1章 海洋国家による地理的フロンティア拡大
1.海洋帝国を夢見たポルトガル王子
2.ポルトガルは新しい可能性には背を向けた
3.イタリア海洋都市国家の軍産複合体ビジネス
4.十字軍を手玉にとったヴェネツィア
第2章 自由な海洋国家が閉鎖海洋国家を滅ぼす
1.大英帝国の基礎は海賊の略奪で築かれた
2.エリザベス対スペイン無敵艦隊
3.「自由な海洋国家」というビジネスモデル
4.分業と交換こそが海洋国家の基礎
5.現代の海洋国家アメリカ
番外編(2) エリザベス映画を観賞する
第3章 日本は海洋国家でなく島国なのか?
1.日本はなぜ海洋国家になれないのか?
2.外に開いた部分が国内中枢と繋がるか
3.和辻哲郎の鎖国観をいま顧みる
4.産業革命以前のビジネスモデルへの回帰が必要だ
第4章 電話の潜在力を見抜けた企業と見抜けなかった企業
1.ビジネス史上もっとも愚かな決定
2.AT&T帝国を築いた男
第5章 IBMの成功と没落と再生
1.超優良企業IBMを築いたのは技術か独占か?
2.ビジネスモデルで大失敗したIBM
3.お菓子屋の社長、巨象IBMを踊らす
4.マイクロソフトの巧みなビジネスモデル
第6章 「工場のない製造業」という新しいビジネスモデル
1.製造業の新しいビジネスモデルを示したアップル
2.iPhoneを支える化け物企業
3.社員90名でテレビ販売全米1
4.サーファーが作った新しい映像世界
5.垂直統合方式の大失敗
第7章 第2期大金持ち出現時代
1.「大金持ち出現第1期」の人々
2.ヴェルサイユ宮殿を借り切って大宴会
3.成長目覚ましい中国のグローバル企業
4.時価総額でトヨタを超えたアリババ
第8章 グーグルが見出した空前のフロンティア
1.グーグルを成長させたビジネスモデル
2.発明や情報から収入を得る方法
3.所有地に金が発見されたら、あなたはどうする?
4.売れない大発明をどう収益化?
5.人類史上最高の成功広告モデル
6.グーグルの革命的広告モデル
7.誰もが広告媒体になれる時代
第9章 人工知能は何をもたらすか
1.ビッグデータがビジネスモデルを変える
2.ITとビッグデータはどんな世界を創るか?
3.フロンティアは拡大し続けるか?
終章 歴史から何を学べるか?
1.失敗の歴史に学ぶ必要がある
2.歴史法則はいかなる意味を持つか
索引  写真提供

インタビュー/対談/エッセイ

新たなビジネスモデルの地平を求めて

野口悠紀雄

――今回の作品は『週刊新潮』で2年にわたり連載された「世界史を創ったビジネスモデル」の書籍化です。ご執筆を始められるにあたって目指されたものは何だったのでしょうか?

 この作品では、ビジネスモデルの新しい探索方法を提案しようと試みました。
 通常、ビジネスモデルの探索にあたっては、ケースメソッドといって、企業の具体的事業の成功や失敗事例を分析し、そこから新たなビジネスモデルを確立するという方法が用いられます。しかし、対象となるのは最近の事例が中心ですから、どうしても結論が同じようなものになってしまう。そこで、これをもっと拡張できないかと考えたのです。つまり、「時間の拡大」と「対象の拡大」です。
 時間というのは言うまでもなく歴史であり、古い事例にまでさかのぼってみるということです。また対象について言えば、企業に限定せず、国の活動にまで視点を広げることです。こうした立場から歴史上の国家を“企業”、その活動を“ビジネス”として見ようというのが、本書が提唱するアプローチです。

――国を企業として捉えるというのは斬新な試みですね。

 考えてみれば、国も、企業と同じく組織です。リーダーがいて、それに従う人々がいる。費用を徴収し、どのような事業を行うか、収益をいかなる形で実現させるか――ですから、そのまま企業に置き換えることができるのです。実際、ある時代まで、国と企業の区分ははっきりしていませんでした。

――作品には国のリーダーだけではなく企業経営者も登場します。ビジネスモデルというと、松下幸之助や本田宗一郎カーネギーといった名前が浮かんで来ますが、彼らはほとんど登場しません。理由があるのでしょうか?

 たしかに、ビジネスモデルというと、彼らが起こした事業に言及されることが多いですね。しかし、彼らの行ったことが現在でも求められているものかというと、そんなことはありません。今、必要とされるのは、むしろ、そこからの脱却です。
 なぜなら彼らのビジネスモデルは産業革命以降の時代において、製造業が大規模化してゆく中で求められたものです。情報化が進展しつつある現代において求められるものとは、異質なものなのです。

――一方で冒頭から大部分を割いて「ローマ帝国」について考察されています。

 何より、ローマ時代の歴史は面白いということがあります。ただ、それだけではありません。ローマ帝国は東ローマ帝国まで含めれば実に1500年近く続いた国家ですし、その最大版図はブリテン島から中近東にまで及んでいます。このような国家は歴史の中でも例がなく、人類史上最も成功したビジネスモデルと言えるでしょう。
 また本書ではローマに続いて大航海時代の海洋国家についても論じていますが、これらの国家においては、市場経済、多様性、分権性が重要な役割を果たしています。製造業の拡大を目指した社会では重視されなかったビジネスモデルです。しかし、今日の情報化社会では、こうした過去の国家のビジネスモデルを考え直すことが重要になっているのです。

――そこで作品中盤のキーワードが「海洋国家」になってきます。日本は「海洋国家」ではないと明確に指摘されますが、日本こそ、その代表のようにも思えます。

 日本は四方を海に囲まれているために「海洋国家」と思われがちです。しかし、そうではありません。日本は「海洋国家」ではなく、「島国」なのです。「海洋国家」と「島国」は両極端のビジネスモデルとして理解しなければなりません。
 海に向かって新しい可能性を求めて拡大してゆくのが「海洋国家」であるのに対して、「島国」は海に守られて島に閉じこもり、外との交流を断つモデルです。日本は歴史の一時期を除けば基本的に「島国」だったのです。「海洋国家」のモデルとして、大航海時代のポルトガルやオランダ、イギリスが挙げられますが、同じく海に面した国でありながら、日本とは何が違うのかを、本書は明らかにしようとしています。

――この作品では、歴史上の国家だけでなく、グーグルやアップル、GoProやビジオといった、新たな世界企業についても考察されています。インターネットが普及しはじめて約20年。私たちの生活、考え方も変わったように思います。ビジネスモデルも大きく変わったのですね。

 インターネットの登場は従来のビジネスモデルを一変させました。理由は2つあります。第一は従来のモノやサービスとは異なる性質を持つ「情報」が経済活動の中で非常に重要な意味を持つようになったことです。第2は「情報」を事業のなかにいかに取り込み、収益化するかが、重要な課題になったことです。「情報」という特殊な性質を持つものを売るというのは、非常に厄介なことですが、そのヒントが歴史の中に埋もれているのです。

(のぐち・ゆきお 一橋大学名誉教授)
波 2017年6月号より

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