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「凡人」を恥じるなかれ。
悔しさも焦りもネガティブ思考も力に変えられる!

おしゃべりな筋肉―心のワークアウト7メソッド―

西川貴教/著

1,404円(税込)

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発売日:2017/05/12

読み仮名 オシャベリナキンニクココロノワークアウトセブンメソッド
装幀 新潮社装幀室/装幀
発行形態 書籍、電子書籍
判型 四六判変型
頁数 191ページ
ISBN 978-4-10-350991-2
C-CODE 0095
ジャンル 芸能・エンターテインメント
定価 1,404円
電子書籍 価格 1,123円
電子書籍 配信開始日 2017/11/10

西川貴教=前向きで明るく社交的? 元々はネガティブで人見知り、ワーカホリックな僕ですが、心身共に鍛錬を積み重ねて、ようやくここまでたどり着きました――T.M.Revolutionとしてデビューして20年。幾多の失敗を経て学んだ経験を元に綴った、今日から始められる7つの「心」の鍛え方。

著者プロフィール

西川貴教 ニシカワ・タカノリ

1970年9月19日生まれ、滋賀県出身。1996年5月13日、ソロプロジェクトT.M.Revolutionとして、シングル「独裁―monopolize―」でデビュー。数々のミリオンセラーを生み出し、歌手としてはもちろんのこと、プロデューサー、作詞家、俳優としても活動。2008年には初代滋賀ふるさと観光大使となり、2009年からは「音楽を通じて地元に恩返しがしたい」という想いを込めて、滋賀県内初の大型野外ロックフェス「イナズマロックフェス」を毎年9月に主催している。

書評

読めば自分を変えられる、誠実で優しい「説教」

水野良樹

 遠い世界にいる人であろうと思っていた。
 今から約11年前の春。当時放送されていた音楽番組「ポップジャム」の収録。デビュー直前の新人だった僕ら「いきものがかり」にとって、それは初めて経験する全国放送のテレビ番組出演だった。会場のNHKホールは巨大で、舞台を囲むように設置された何台ものカメラは冷たい威圧感をまとっていた。リハーサルを終え、舞台袖の長い廊下をとぼとぼと歩いていると向こうから俗に言うオーラなるものを存分に放ってやってくるひとがいた。それはテレビの中のひとだった。
「あ、T.M.Revolution の西川貴教だ……」
 もちろん声には出していない。声には出していないが表情には出してしまっていたかもしれない。数々のヒット曲は当然ながら知っている。プロの芸人たちが舌を巻くほどに巧みで陽気なMCも、何度もテレビで見てきた。「本物だ」と口を開け、敬称をつけずにその名前を呟く。まだ無邪気だった。目の前にスターがいる。シンプルにそう思ってしまった。
 当時西川さんは番組の司会を務めていた。突然現れた大先輩の姿に驚くばかりで、すれ違う背中に僕らはろくに挨拶もできなかった。そんな様子に気がついたのか、隣にいたスタッフが言う。「西川くんは君たちと同じレコード会社所属の先輩だよ。もう彼もデビュー10周年。君たちも頑張って、いつかそうなれたらいいね」。とても遠い背中に思えた。
 あれから月日が経った。僕らはそのデビュー10周年を越え、西川さんはデビュー20周年を越えた。先輩の背中は変わらず遠いままで、眩しいままだ。だが、あの頃よりはその眩しさについて、少しだけ深く推察できるようになったとは思う。
 本書は、元来は人見知りで天才ではなかったと言う西川さんが、いったいどんな考えや行動を通じて20年以上の長きに渡り第一線のアーティストとして、その成長を続けてきたのか、読者にも自分の日常に照らし合わせて実践できると思わせてくれるような易しい語り口でひもといていくエッセイだ。
 11年前の僕らがたじろいだような西川さんのスターとしての明るさやエンターテイナーとしての輝きは、そのまま彼のオフィシャルイメージとして世間でも十分に認知されているだろうが、それは限られた人間だけが持つ天賦の才能に由来するものでは必ずしもなかった。大小様々な失敗や挫折を繰り返しながら、彼が自分自身の在り方を丹念に更新し続けてきた結果としてあくまで培われたものだった。つまりそれは読みとく僕らにも再現可能なものとして綴られている。
 つくづく誠実で優しいひとだなと思う。読んでみて、西川さんが時折かけてくれたいくつかの言葉の真意を再び噛みしめたからだ。以前、西川さん主催の祝い事のパーティーに呼ばれたことがある。200人ほどの出席者。名のある諸先輩方も多くいて、会場についた自分は身の置き場がないなと不安になっていた。自分の座席を探すと、前方の中央テーブルを指定された。え、と驚いたところで目の前に西川さんが座る。まさかのメインテーブルだった。「なんで僕なんかがここなんですか」と訊くと「お前、見るからに人見知りだろ。俺の前に座れば話さざるをえないからな。逃げるな。ちゃんと人と話しなさい」。冗談めかしての言葉だったが、気遣いが優しかった。後輩の性格を慮ってくれたのだとその時も感じたが、本書を読むまで気づけていない部分があった。それは西川さんもまた、もともとは周囲とのコミュニケーションが上手だったわけではなく、それを自分なりにアクションを起こすことによって乗り越えてきたひとであったという事実だ。かつての自分のように社交に背を向けようとした後輩を励まそうと彼は思ってくれたのだろう。そんなことがあったからなのか、極めて個人的な感想ではあるが、本書はまるで先輩の優しい「説教」のように自分には感じられた。そして一方で、同じように仕事や周囲とのコミュニケーションに弱腰になってしまう多くの人たちに、ヒントや勇気を与えるものでもあると強く思った。彼のような明るさは自分には無いと思うひとほど本書を手にとってほしい。西川貴教はもともとはあなたと同じところにいたひとだからだ。彼はあなたのいた場所から歩みを進めていった。「自分にもできるかもしれない」、そう思わせてくれる頼もしい背中がこの本のなかにはきっとある。

(みずの・よしき ミュージシャン。いきものがかりメンバー)
波 2017年6月号より

目次

まえがき
|甘える力 スタートダッシュで自己エリア拡大を狙え
視線は常に、相手の肩!だった
人見知りの自己申告はもったいない
方言万歳!
お酒の力は使いよう
甘え上手はムードメーカー
男って単純な生き物ですから!
全員と距離を縮める必要はない
|バランス力 これでいいのか、西川の生活は!
SNSって本当に難しい
“オタク”と名乗らない理由
顔面蒼白、冷や汗ダラダラの「顔合わせ」事件
T.M.R.の西川として共感するバランス力
これでいいのか、西川の生活は!
「できるんじゃないの?」にほだされて「消臭力〜♪」
一度きりの人生、一生モブキャラでいるつもり?
|実現力 20年間、ほんとにいろいろありました
T.M.Revolutionという名前でデビューしたワケ
これでほんとに歌を聴いてもらえるのかな
プロデューサー兼主演の難しさと切なさ
全ての行動の裏には欲求と理由、そして過程がある
何度も心が折れそうになった20周年記念ツアー
「ノー」を発信すること、「ノー」を受け入れること
|女子力 僕はおばちゃん力向上を目指します
「女子力高い」はほんとに褒め言葉?
女子より、女性の方が断然ステキなのに
男性への「女子力高い」は褒め言葉じゃない!
おばちゃん力を使いこなす
女子力イコール観察力
当然ですが、SNSは「見られて」います
|ネガティブ力 使いこなせれば百人力!
ネガティブ思考=悪いとは限らない
“悔しい”は次への原動力
歌がうまくなるにはどうしたらいいんですか?
諦めるか続けるか……悔しさを感じなくなったら
10年目の野望
言われて傷ついたことは一生忘れません!
マイナスパワーは馬鹿話で撃退しよう
|突き詰める力 “好き”だけでは続かないから
抑えられない知識欲
天才型の人、憧れます……
「何が楽しくて生きてるの?」に困惑
筋トレは現実逃避!?
“好き”だけでは続かない
どうしても治らない悪い癖
|任せる力 愛橋がすべて
「風」を吹かせるにはいくらかかる?
社長ではあるけれど…………
西川貴教とT.M.R.は別人格
任せることで得た「時間」
目指すべきは利益じゃない
倒産覚悟で臨んだロックフェス
愛橋がすべて
あとがき

インタビュー/対談/エッセイ

恥ずかしい、面倒くさいを乗り越えて、物語の主人公に

西川貴教

――過去に写真集やアーティストブックは発売されていますが、このような形式の本は今回が初めてだったんですね。書籍になるまでを振り返ってみて、いかがでしたか?

 インタビューで過去を振り返ることやSNSでその時の気持ちを書くことはあっても、書籍で自分の思考や物事の捉え方を分析したり説明したりすることはなかったですね。文章にするのは気恥ずかしかったというか……。でも今回、デビュー20周年の活動を行いながら、自分自身何を大切にしてきたのか、どうありたいのか、この先どうしていくべきなのかを改めて考えるいい機会にもなったので、やらせていただいてよかったと思いました。自分より年下の世代の方、同世代、年上の方にどう感じてもらえるのかな? というのは気になります。

――T.M.Revolutionとしてデビューする前後、なかなかうまくいかずにもがいていた20代の数年間についても書かれています。どの出来事をどう書くかは難しかったですか?

 僕はこんな苦労をしてきたんです! と伝えたいわけではないですからね。「もう明日がない」と焦りながらも夢は持っていたので、全体的には前向きな話としてまとめられたと思います。今うまくいっていないと感じている若い方など、ご自身に置き換えて読んでもらえたらうれしいです。

――ミュージカルやドラマなど、音楽以外の仕事場で冷や汗をかいたり恥をかいたエピソードも印象的でした。

 恥ずかしい思いや面倒くさいことってできればしたくないものだけど、それを越えないと得られないものがある。若いころはもちろん、今の自分にとってもそれが大事なんだなと感じています。タイトルにも使った“筋肉”で言うと、もともとトレーニングを始めたのはツアー中に倒れたことがきっかけ。当初はジムでも周りの人と比べて自分は劣っている、こんなこともできないのか……と恥ずかしさや悔しさばかりでした。でもそれを経たから今があり、あのキツさを乗り越えた自分だから、まだ他にもできることがあると思える。これ以上、上を目指さないなら何もしなくていい。でも僕はもっと上にいきたい! もっと有名になりたいんです。

――もっと有名に!? これ以上?

「お前何を言ってんの?」「まだそんなこと言ってんの?」と思いますよね?(笑)。でも本気なんです。最近では台湾でライブができて、街に出ると地元の方から声をかけてもらえるなんて、デビュー当時から考えると信じられない状況です。だけど僕は、ヨーロッパでもアメリカでもアフリカでもキャー! って言われたい(笑)。だからこそ、恥ずかしさや面倒くささを乗り越えてもっと上を目指さないと。物事を理解する力や伝える力、表現する力を一つでも多く身に付けてそれを活動に生かしたい。宝くじは買わなければ当たらない、とはいえ買ったからといって当たる訳でもないように、頑張ればすべてが報われるわけじゃないけど、続けていないと努力が報われる時も来ないんですよね。

――「いいな~」と人をうらやんでいるだけでは、自分の状況は何も変わらないですもんね。

 日常の些細なことでも当てはまると思うんです。どんな人にもそれぞれの物語があるから、街の人A、街の人Bになるより主人公になった方が楽しいでしょ? 主人公といってもすごいことを成し遂げようとか、有名になろうとかいう話ではないんです。仕事でも人間関係でも毎日「つまらないな」「面倒くさいな」と言いながら暮らすのはやめよう。恥ずかしい、面倒くさいと逃げていたら同じことしかしない自分になってしまう。だから僕自身、今も色々挑戦中なんです。

――先ほど筋肉の話題も出ましたが、本書の帯や章扉で披露している筋肉美が発売前からテレビやインターネットで公開されましたよね。反響はいかがでしたか?

 当たり前ですけど(笑)、ここまで本格的に裸を撮っていただく機会はなかなかなかったので、驚かれた方も多かったみたいですね。「え? 西川はこんなことになっちゃってんの?」「何これ? アイコラ?」とか言われました(笑)。

――西川さんの筋肉トレーニングは相当キツそうですが、この本は心を鋼のように鍛えようという内容ではないですよね。

 全然違いますね(笑)。こうしなさい! ではなく、西川貴教の場合は……という話です。時々「西川さんはいいですよね」と言ってもらえることがあるんですが、毎日賑やかで楽しそうとかポジティブとか、「え? そんな印象を持ってくれていたの?」と申し訳なく感じることがほとんど。実際の僕なんて、自分にはあれもこれも足りないと悔しがったり、他人の才能や環境がうらやましくてしかたなかったり、いまだに毎日自分のことでいっぱいいっぱいですから(笑)。そもそも世の中には、一見うまくいっているように見えていても実際は……ということがよくあるじゃないですか。この本で僕の一例を読んでくれた誰かが「あ~、わかるこの感じ。西川もいろいろあったんだな」「この話に比べたらまだマシかもな」って感じて、少しだけでも気が楽になるかもしれない。そういう風に読んでもらえたら何よりですね。

聞き手・草野美穂子
(にしかわ・たかのり ミュージシャン)
波 2017年6月号より

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