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大直言

青山繁晴/著 、百田尚樹/著

1,430円(税込)

発売日:2017/01/31

  • 書籍

稀代の論客ふたりが、激突!

日本国憲法はこのままでいいのか。外交に勝つために必要なのは。政治家に求められる覚悟とは。第三次世界大戦にどう備えるか。結論ありきの報道との向き合い方。領土をいかにして守るべきか。そして、日本人が持つべき、真の矜持とは――現代日本が抱える様々な問題の本質をえぐり、我が国の「これから」を明確に示す、刺激的対論。

目次
はじめに  百田尚樹
第1章 憲法を議論する
憲法改正なくして独立なし
拉致被害者の立場で考えよう
憲法のとんでもない成り立ちを知るべき
憲法を変えるのは「ぼくらの問題」
国民を分断しない議論を
「改憲の是非」はもはや論点ですらない
加憲はごまかしにすぎない
「改憲癖」をどうつけるか
平和は「諸国民」に任せられない
自衛隊員に「違法行為」を強いるな
素直な気持ちで九条を読んでみよう
問題は九条だけではない
第2章  外交を議論する
自民党総裁任期を延長する意味
短期政権ではなめられる
外務省は民間の知恵を導入せよ
特権に溺れる外交官を許すな
外務省は中韓の嘘に堂々と反論せよ
ダーティ・マネーに免疫を持て
官僚が敗戦を招いた
正解のない問題に対応する能力を
第3章  平和を議論する
すでに「第三次世界大戦」と覚悟すべきだ
「平和の使徒」が戦争を起こす
「平和を愛する」で思考停止するな
GHQの洗脳を脱すべし
アメリカを苦しめる「正義の戦争」
第4章  戦争を議論する
原爆投下をどう見るかがリトマス試験紙
戦争記念館がない悲劇
世界の意見と中韓の意見は別物
ハル・ノートは無視すればよかった
真珠湾攻撃は卑怯ではない
真珠湾見学のすすめ
「海軍は賢くて陸軍は愚か」は勘違い
現代につながる「海軍エリート」の弱点
特攻は無駄死にではない
日本兵の勇敢さを周知せよ
東京裁判は間抜けである
東京大空襲は東京大虐殺である
第5章  メディアを議論する
安易に「ヒトラー」を使うな
メディアの偏向よりも「浅さ」が問題
テレビの影響力は侮れない
メディアの「揚げ足取り体質」が国を滅ぼす
結論ありきでは「報道」ではない
変革を望まない「リベラル」の浅さ
第6章  政治家を議論する
政治家は覚悟を持て
国会議員に資格試験を導入せよ
二重国籍の政治家は論外だ
政治家は一度は民間で働け
地方議員は無給にせよ
シルバー民主主義に対抗せよ
医療費が国を滅ぼすリスクになっている
第7章  領土議論する
北方領土交渉はポーツマス条約を起点とせよ
竹島の島民の声を聞け
領土防衛は国家の根幹である
中国の「先を見る力」に学べ
尖閣諸島問題は外務省任せでは進まない
日本企業は中国に見切りをつけよ
中国の変化を直視せよ
グローバリゼーションが国家意識を強める
移民受け入れは断固拒否すべきだ
第8章  人生を議論する
本が人生を支えてくれた
若いうちに体の基本をつくれ
日本人の矜持を持とう
“おわりに”を認める幸せについて  青山繁晴

書誌情報

読み仮名 ダイチョクゲン
発行形態 書籍
判型 四六判
頁数 208ページ
ISBN 978-4-10-336413-9
C-CODE 0095
ジャンル ノンフィクション
定価 1,430円

書評

行間到る処青山有り、議論百出の書

居島一平

「真相深入り! 虎ノ門ニュース」の司会進行を承って、ほぼ二年近くになりました。
 スカパー! やニコ生、ユーチューブやアベマTV等で見られるこの番組は月曜から金曜までの毎朝八時より二時間の生放送。日毎に変わるコメンテーター陣は各界一流の専門家の方々とはいえ、というかだけに・・・、メールを寄せて下すった視聴者の言を寸借すればどなたも“ボスキャラ”のような濃厚かつ強烈な個性の持ち主ばかりです。
 なにしろO・Aオンエア開始後息もつかせぬ内に「地球は温暖化などしていない」「全てのリサイクル運動は無駄、むしろ有害」「憲法九条こそが憲法違反」「韓国は自国の歴史ごと整形手術している」「『国の借金一千兆円、国民一人当たりの借金八百万円』は完全に大嘘」……どれひとつとってもいわゆる地上波のメディアでは途端にピー音が入るか放送事故になりかねないような主張の数々が、ここでは歯に衣着せぬどころか琺瑯質ごと削る勢いで飛び交いまくります。横で拝聴している私のような、日頃テレビや新聞が垂れ流している“世間の常識”にどっぷり首までとは言わねど半身浴程度は浸ってしまっている人間にとって毎回、脳髄ごと引っぱたかれる思いの日々なのですが、中でも突出した存在感なのが月曜の青山繁晴さんと火曜の百田尚樹さんといえましょう。
 おととし戦後七十年目の夏に、番組特別企画として行われた両氏の対談「終戦の日と日本人」を軸に更に重ねられた議論がこのたび『大直言』と題し書籍化されました。活字の形で読み進めて改めて際立つのは、僭越な表現ですがお二人の発想の向日性です。
 いまだに巷で散見する、いたずらに日本の将来をひたすら暗く悲観的に捉え、現状の分析から負の要素しか導き出さず、ではどうするかの代案は何ら具体的に示さぬまま嘲笑的に突き放す。これが平気で許されるのがある種の大学教授や評論家だとすれば、両氏の討議は遥かに遠い所で展開されます。何より大事なのは、読んでいてワクワクすること(子供か!)。現時点ではどれだけ打開困難な現実の諸相を語っていても、お二方の話には未来に希望を失わぬための処方箋が力強く添えられていることです。
 今更のご挨拶ですが私は本来、年齢は若干熟れていこそすれ知名度からして全く売れていない一芸人に過ぎず、報道番組のキャスター(苦笑)役なぞお門違いも甚しい筈でした。そのせいか初期には私への罵詈雑言がネット上で怒濤の如く押し寄せましたが、最初に敢然と擁護して下さりかつ今に至るまで決して素人扱いせず接して頂いているのも青山さんです。だから御礼、で申すのではありません。たとえ思想信条の異なる相手でも攻撃的に論破するのでなく包容的に臨む姿勢、本番中に拉致問題に言及して落涙された瞬間、多岐に亘るご専門分野で特にメタンハイドレート――日本が自前の天然資源に恵まれぬとは全くの出鱈目だと全身で説く――様々な青山さんの醸し出す本物の「熱」と「志」は、本書の行間にも漲り渡っています。
 いっぽう百田さんは、次々と世に問われる作品の無類の面白さは当然のことながら、ご本人の語り口も負けず劣らず楽しい方です。自由奔放に広がる話題はボクシング、囲碁、クラシック音楽から動植物の秘められた生態にまで及び興味深く多彩なのですが、そんな百田さんが担当される火曜の“喋るコラム”風コーナーでの一幕を最後に少し自慢めきますがお許しを。
 あるニュースに触れて「僕は超能力とか超能力者っての、一切信じないんですわ。胡散臭い!」と切り出された百田氏。ふだんMCとしての私は徹底的に聞き役を貫くことを自らに課しておりますが、この時ばかりは「お言葉ですが百田さん。数多くの小説で、文章の、言葉の力だけで紡がれた物語で、何百万もの読者を感動させる。これが超能力でなくて何でしょう。ご自身は立派な超能力者じゃないですか?」すると満面の笑みで「ハイ、そうですね。超能力は、あります!」
 そんなお二人の魅力が肉汁たっぷりにつまった一冊です。映像抜きでも十分、ご堪能下さい。

(おりしま・いっぺい 芸人)
波 2017年2月号より

著者プロフィール

青山繁晴

アオヤマ・シゲハル

1952(昭和27)年、神戸市生まれ。慶應義塾大学文学部中退、早稲田大学政治経済学部卒。共同通信記者、三菱総研研究員、独立総合研究所社長を経て、2016年7月より参院議員。作家、東大教養学部非常勤講師、近畿大経済学部客員教授を兼ねる。著書に純文学の『平成紀』、ノンフィクションの『ぼくらの祖国』『ぼくらの哲学』『壊れた地球儀の直し方』などがある。

百田尚樹

ヒャクタ・ナオキ

1956(昭和31)年大阪市生まれ。同志社大学中退。放送作家として「探偵!ナイトスクープ」等の番組構成を手掛ける。2006年『永遠の0』で作家デビュー。『海賊とよばれた男』(本屋大賞受賞)『モンスター』『大放言』『鋼のメンタル』『夏の騎士』等著書多数。

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