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獄中から溶け出す女の欲望が、すべてを搦め捕っていく――。

BUTTER

柚木麻子/著

1,728円(税込)

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発売日:2017/04/21

読み仮名 バター
装幀 原裕菜/装画、新潮社装幀室/装幀
雑誌から生まれた本 小説新潮から生まれた本
発行形態 書籍
判型 四六判変型
頁数 463ページ
ISBN 978-4-10-335532-8
C-CODE 0093
ジャンル 文芸作品
定価 1,728円

男たちから次々に金を奪った末、三件の殺害容疑で逮捕された女、梶井真奈子。世間を賑わせたのは、彼女の決して若くも美しくもない容姿だった。週刊誌で働く30代の女性記者・里佳は、梶井への取材を重ねるうち、欲望に忠実な彼女の言動に振り回されるようになっていく。濃厚なコクと鮮烈な舌触りで著者の新境地を開く、圧倒的長編小説。「木嶋佳苗事件の闇について、柚木さんでなければ描けなかった。この本を読んで、女性と話をするのが怖くなった。」(佐藤優氏)

著者プロフィール

柚木麻子 ユズキ・アサコ

1981(昭和56)年、東京都生れ。2008 (平成20)年「フォーゲットミー、ノットブルー」でオール讀物新人賞を受賞し、2010年に同作を含む『終点のあの子』でデビュー。 2015年『ナイルパーチの女子会』で山本周五郎賞を受賞。ほかの作品に 『ランチのアッコちゃん』『伊藤くん A to E』『その手をにぎりたい』『奥様はクレイジ ーフルーツ』などがある。

インタビュー/対談/エッセイ

複雑な味の、美味しい小説

柚木麻子

30代の女性記者・里佳は、結婚詐欺の末、男性三人を殺害したとされる容疑者・梶井真奈子カジマナへの取材を重ねるうち、次第にその言動に翻弄されるようになっていく――
著者の新境地を開く最新長編がついに刊行。作品にかけた思いを聞いた。

――小説新潮で連載をお願いしていた『BUTTER』が、ついに単行本になりました。タイトルはどこから発想されたのでしょうか?

 ちょうどこのお話を書き始めた二〇一四年の末頃に、バター不足がニュースになっていたんですよ。私はお料理が好きなんですが、料理、特に正統派のフレンチには大量のバターが不可欠です。ちょうどクリスマスにブッシュ・ド・ノエルを作ろうと思ったら店頭にバターがなくて、なんで牛乳はあるのにバターがないんだろう、とふとした疑問が湧きました。
 バターについて考えていたときにふと思い出したのが、『ちびくろ・さんぼ』という絵本のことでした。あのお話では、虎たちがぐるぐるまわって溶けてバターになってしまうんですが、最終的にはそのバターを、さんぼとその家族が美味しく食べてしまう。虎がバターになったのは一体誰が悪いのか、さんぼ一家は残酷なのか。小さい頃、少し気になっていたことが、今になって大きな疑問になりました。

――この作品は、二〇〇九年に発覚した首都圏連続不審死事件(四月十四日、木嶋佳苗被告の死刑が確定)が重要なモチーフになっています。事件に興味を持たれたきっかけはなんでしょうか。

 いろいろありますが、最初は、料理教室からだったと思います。事件のルポを読んで、容疑者と同じ料理教室に通っていた女性たち、そしてその料理教室が、偏見の目にさらされているように思いました。選ばれたセレブの集まりとか、容疑者にとって場違いなキラキラした人種、とか。
 でも、あの料理教室はプロを育てる本格的な講座で、実際は興味本位で気軽に通えるようなものじゃないんです。それに、料理好きな人は大人しくて家庭的で優しくて、みたいに言われますが、むしろチャレンジャーで探究心溢れる人のほうが多いのではと私は常々思っているんです。この小説の取材のために別の料理教室に通って改めて痛感したんですが、本格的な料理は体力も気力も必要で、すごく大変。キッチンで巨大な海老と格闘し捌いていく様は、世間の「家庭的」なイメージとはかけ離れているはずです。
 そういう料理好きに対する偏見がある一方で、料理が苦手な女性に世間は厳しい。料理ができない妻や母なんて言語道断だと言われたり、女子会できゃっきゃとグルメを楽しむことすら眉を顰められたりする。びっくりするほど要求が高いなと思います。

――作中では、女性たちの様々な葛藤が描かれています。

 女の人に対する不自由な言説って、他にもすごくいっぱいあると思うんです。太っているのは論外だけど、痩せすぎているのもダメ、ファッショニスタすぎるのもダメ、とか……。仕事を頑張りご飯もちゃんと作って子育てまでしていても、世の中にはそれらをすべて信じられないくらい完璧にやっている人がいて、「理想のママ」として持て囃されていたりする。それを見て「わー!!」って叫び出したくなる人、いっぱいいると思うんですよ。自分が責められるだけならまだしも、「あれじゃご主人がかわいそう」とか「子供が不憫」とか、家族を人質にとられちゃったりすることもある。
 そうなると、みんな失敗を極度に恐れるようになりますよね。作中にも出てくるんですけど、最近の料理本は、「塩と砂糖を少々」って書くと「少々ってどれくらいかわからない」というクレームがきたりするから、「小さじ1/4」とか書かなきゃいけない、という話を聞きました。みんな適量がわからないし、「お好みで」と言われても自信がない。

――「自分の適量を探す」というのは、作品の一つのテーマにもなっていますよね。

 それは私自身の経験でもあるんです。私、デビュー直後にある人から「一か月に二〇〇枚は書かなきゃ、この業界で生き残っていけないよ」と言われたことがあって、それをこなすのに必死になってしまったんです。とにかく何か依頼をいただいたら断らずに全部書いて、自分でもよくなかったと思います。今考えれば、私のやる気を出すために言ってくださった言葉だと思うんですが、それをノルマのように守りすぎた結果、映画「セッション」の主人公みたいになってしまって(笑)。交通事故にあって血だらけになっても、とにかく舞台に出てドラムを叩き続けるという……(笑)。もはやお客さんの気持ちとかは、頭からすっ飛んでいる。ですが、同年代の作家の方と話していたときに、「えっ何それ、そんなの聞いたこともない」と言われて、あれ? と目が覚めました。
 でも、過剰に書いてみたからこそ、「適量」がわかってきたと思います。去年くらいから、「あ、私にはこのペースがあっているんだ」というのがやっと見えてきました。
 やっぱりいろいろやらないとわからないんですよ。絶対失敗しちゃダメということになると、先に進めない。何度もトライして、失敗することが大事なんじゃないかな。お料理だっていろんな味を知っている人のほうが、応用を利かせるのがうまいと思います。仕事でも人間関係でもそう。「こうじゃなきゃダメだ」という人よりは、臨機応変な人のほうが強い。だから、主人公の里佳もいろいろやってみて、最終的に自分にとってベストなバランスを見つけていくんです。

――柚木さんご自身も、そうやって適量を見つけられたんですね。

 ただ当たり前ですけど、今の私の適量が全員に当てはまるとは限りません。月二〇〇枚書かれながら、よい作品を生み出し続けている方もいらっしゃいますし。
 作中で里佳は10kg太りますが、「太っていてもいいじゃん」ということが言いたいわけではないんです。お洋服が好きな女性だったら、40kg台とかが適量かもしれない。でも、里佳はファッションにそこまで興味がないし、仕事が忙しくて体力勝負なところもあるから、健康的な体型の方が合っているというだけのこと。お料理も一緒で、里佳は段々と料理をつくるようになりますが、それは彼女にとって必要なことだったからです。「やっぱり自炊しない人はダメだ」とかはまったく思っていません。

――出てくるお料理はどれも美味しそうです。

 物語に登場する料理は、一通り自分でも作っています。最後に七面鳥を丸焼きにするシーンがありますが、料理の経験値も何もない、とにかく一回焼いてみないことには何もつかめない、というのが実感としてあります。本当になにごともそうですよね。私も知り合いからレシピをもらったんですけど、その通りにやってもなかなかうまくいかないんですよ。火力も違うし、オーブンの種類も違う。好みや、食材の好き嫌いも違う。だから、オリジナルのレシピを自分で生み出すしかない。オリジナルをつくることを怖がらなくていい、というのが一番言いたいことかもしれません。
 このお話の決着を考えたときに、主人公である里佳が成功することでも、何かを打ち倒すことでもなくて、オリジナルレシピをつくれるようになることこそが、一番のハッピーエンドなんじゃないかと気づいたんです。今後はきっと里佳の仕事のやり方も、そうなっていくんだと思います。オリジナルの立ち位置を、自分でつくっていくはず。

――最後は里佳の柔軟さに、救われた気持ちがしました。

 この国で一番偉いとされるのは「辛いこと」です。だから辛い人が辛くない道を探ることは我慢が足りないと糾弾されるし、本人も自分に禁じてしまう。「この状況で頑張らなきゃいけない、逃げ出してはダメだ」って自分を縛ってしまうところがあると思います。でも、それはその人の真面目さゆえで、責められないんですよね。だからせめて物語の中では、どうにかその解決策を見つけたい。
 たとえば、セルフネグレクトをする男の人っているじゃないですか。配偶者に出ていかれた男性が、「一人じゃご飯の炊き方もわからない」とか「こんなに寂しいとは思わなかった」とか発言したりして、「かわいそうだ」という同情の目が寄せられたりする。それによって相手の女性側が、どれだけ世間から糾弾されるか。そう思うと、ご飯の炊き方もわからないって、えっ、炊飯器のボタンを押すだけなのにわからないの? だったらスマホで検索すれば? と思ってしまいます。
 ただ、そういう辛い思いをしている人たちを責めるつもりはないんです。自分の執着が原因で容疑者に追いつめられ、でもなんとかその状況を乗り越える里佳と、セルフネグレクトに陥ってしまう男性たちとの差は、たぶんほとんどないと思います。だけど何か少し違いがあるとしたら、切羽詰まったときに誰かに電話をかけたかどうか、自分でおかずをつくってタッパーに詰めたかどうか、あるいは、冷蔵庫を自分で開けたかどうか、という程度のことなんじゃないかな。

――ほんのちょっとの自分を慈しむ心が大事なんですね。今後、書いてみたいお話はありますか?

 いい人とも悪い人ともいいきれない、あらゆる要素を含んだ女性の大冒険を書きたいです。例えば大ヒット作「半沢直樹」って、見方によっては悪人じゃないですか。配偶者や同僚にはとても優しくていい人だけれど、敵には容赦なくて、相手を陥れるためだったらなんでもやる人。日本中があのドラマを見てスカッとしたけれど、仮にあの主人公が女性で、配偶者や友達の前ではニコニコしているけど敵には「目の前で土下座しろ」って言ってたら、スカッとするどころか「とんでもない女だ」ってなる気がする。
 女性主人公の復讐ものって、なぜか単調になりがちです。恋人か家族を殺された、あるいはレイプされたというような壮絶な過去があって、毎日復讐のことだけを考えて暮らしている、美しく哀しき女。家はいつも薄暗くて、ターゲットの写真がばーって貼ってあったりするような。そうじゃなくて、愛情たっぷりの家庭があり、同僚にも恵まれ、毎日をエンジョイしているリア充だけど、その同じ人の中にわけのわからないモノも棲んでいる、っていうお話を書いてみたいです。

――とても面白そう! 多面的な物語は今作ともどこか通じるところがありそうで、ぜひ読んでみたいです。

 美味しいお料理って、ちょっと苦みや渋みも効いていたりして、複雑な味がします。それと同じで、すべてを割り切れなくてもいいのかなって。料理も小説も、そういう部分があったほうが美味しくなると思っています。

(ゆずき・あさこ 作家)
波 2017年5月号より

まとめテーマでくくる 本選びのヒント

つなぐ本×本 つながる読書<広がる世界

つなぐ : 048

木嶋佳苗
林眞須美
女性犯罪者

毒婦の闇の底で、溶けて煮えたぎる女の欲望。

女の「商売道具」は容姿や身体だけではない。なぜ多くの男たちは騙されるのか。

書店員さんコメント

恐るべき人間の業を見事に描き切った快作!!
むせ返すような人間くささが全編から漂い、圧倒的なインパクトを放つこの物語は「愛憎」の概念をも打ち砕くパワーがある。
今、最注目の作家・柚木麻子の到達点であることに間違いない。

三省堂書店営業企画室・内田剛さん


すごいものを読んでしまいました。
本を閉じてもなお、日常生活に介入してくる。
読者に対して、傍観者でいることを許さない。圧倒されました。
ぶん殴られて襟首つかまれて、引きずり回された気分です。

丸善松本店・田中しのぶさん


様々な角度から描かれる「女」、食から見る事件、人間模様……柚木さんらしい切り込み方で、すごく面白かったです!! 間違いなく傑作。
食生活って人間が出るものだと痛感しました。そして、「バター」がこんなにも魅惑的で、色気のあるものとは……。

SHIBUYA TSUTAYA・内山はるかさん


なんと濃厚な味わい! 食べたら、やめられなくなる。 登場する女たちすべてから、目が離せない。なぜならそこに、いつかの自分、知ってる誰か、友人、知人、親、家族……の姿が重なるような気がするから。
柚木麻子という作家は、ずっと女性の味方だなと思っている。
もしかしたら、この世で一番(!?)女性を理解している作家だから、容赦なく、シビアに「女」のあらゆる面を書き、私たちに突き付ける。そして、真のエールを送ってくれる。そんな、信頼できる作家だ。

喜久屋書店帯広店・磯野あかねさん


梶井真奈子の魅力にひきこまれてしまう。
これ以上知りたくない、という気持ちと、先が気になる気持ちが混ざり合い、複雑な心情になる。
小説でここまで心を揺さぶられたのは、この本だけです!!

喜久屋書店倉敷店・中田唯さん


こってりした料理を食べた後のような胃もたれ!?
温泉に浸りすぎた時のようなのぼせ感!?
とにかく、本を読んでこんな気分になったのは初めてでした。
柚木さんの本気がめちゃくちゃ伝わってきました!!

文教堂書店浜松町店・千葉裕子さん


やみつき注意! 濃厚な味なのに、不思議にするすると入り込んでくる。素材を巧みに活かした技に、ほれぼれする。
……料理の話ではなく、本作の感想である。
登場人物がそれぞれに抱える葛藤、木嶋事件が示す男と女の関係性。様々なものを突き付けつつ、それでもあくまで「物語」で読者を惹きつける快作。

紀伊國屋書店京橋店・朝加昌良さん


人の目や世間体が気にならなくなることはない。
けれど強い、自分に正直な女性でありたいと前を向ける小説でした。

紀伊國屋書店横浜みなとみらい店・安田有希さん


若くも美しくもない女に、なぜ男たちは惹かれたのか。
それを探る女性記者までもが振り回され、この話はどこへ向かうのかと夢中になって読みました。
先の見えない展開にハラハラドキドキ。
食べる表現の上手さも手伝って、お腹も空くけどカロリーも高い、魅惑的な小説でした。

文信堂書店長岡店・實山美穂さん


ぶっちゃけ“彼女”を下に見ていました。
けれど、殺された男たち、そして主人公同様に、読めば読むほど“彼女”の崇拝者になっていく。気づけばうちからもマーガリンが消えていました。この本、怖い……!

ジュンク堂書店松山店・木﨑麻梨子さん


読み始めたら本当に止められませんでした。
続きがジリジリと気になって、無駄に焦りながら、読後、落ちました。

三省堂書店名古屋高島店・大屋恵子さん


濃厚でした。とことん濃厚でした。バターはあまり好きではないのですが、この小説の濃厚さは麻薬的な魅力があります。本当はこんな女、大嫌いなはずなのに、梶井のことが気になって仕方がない。なんてうざくてイヤな女なのだろうと思うのに、若さも美しさもこの女の前では、ひれ伏すしかないのだろうか。
無性にバター醤油ごはんが食べたくなる一冊。もう、マーガリンはいただけない! 高いバターをキラキラ溶かしながら食べようと思いました。

有隣堂伊勢佐木町本店・佐伯敦子さん


梶井の言動を追っていくうちに、自分の常識が頼りなくなって、足元がぐらぐらしてくる。心の奥にあるものが湧き出しそうになる。私をどこへ連れていこうとするんだ梶井! と叫ばずにはいられない。
濃厚な柚木麻子ワールドをどっぷり堪能してください。

BOOKSなかだ掛尾本店・牧野有希子さん


うわあー落ちる! と思った瞬間に、バター醤油ごはんと一緒にこの小説に落ちてしまいました。すっかり『BUTTER』中毒です。

明文堂書店富山新庄経堂店・野口陽子さん


最初は警戒しながら読んでいたはずなのに、いつのまにか、梶井の手の中で踊らされていました。
魅力的な料理の描写に、よだれがとまりません。
自己中心的でナルシスティック、自分に都合の悪いことは無視して、真実を捻じ曲げる梶井は、確かに気持ちが悪く、嫌悪感を覚えますが、共感している自分もいるんです。こういう歪で弱いところ、人間なら誰しもあるんじゃないでしょうか。
読んでいて、辛いところもあるのですが、この濃密な小説を読むのをやめられない。恐ろしくグリップの強い柚木さんの筆力に、ただただ圧倒されました。
バターのように濃厚で香り高い、これぞ最高傑作! 胸やけには要注意です。

文苑堂書店福田本店・竹田智昭さん


柚木さんの描く女性たちがいつも好きだ。でも今回の女性・梶井は怪物級。梶井の言動に捻じ曲げられる女たちの関係、一見恐ろしいが、渦中にいる本人たちにはある種の快感なのかも……。
読む方もどっぷり浸かってしまう。ページをめくる手が止まらない。

今井書店錦町店・山口郁子さん


登場人物それぞれの必死さに共感し、励まし、励まされながらの一気読み。胸が痛くてもやめられない。この生々しさは残ります。
これが「現代小説」なんだなと。

ジュンク堂書店神戸住吉店・大橋加奈子さん


主人公がカジマナにこのまま飲み込まれてしまうのかと、ドキドキしながら読み進めました。
欲望渦巻くドロドロの世界と、「食」とがこんなに上手く混ざり合うとは! まさに柚木麻子のすべてが詰まった作品。

ブックファースト豊中店・有馬宏貴さん


たとえ嫌悪する対象であっても、力強く抗えないその悪しき魅力は、心の隙間に入り込み、孵化し、今までとは違うものへと変化する。
その果てしなくも切ない風景を描き切った柚木麻子に、ただただ、脱帽した。

大盛堂書店・山本亮さん


『BUTTER』というタイトルがまさにぴったりの、コクのある濃厚な後味の小説でした。とにかくカロリーのある料理の描写と、それに負けないくらいカロリーの高いキャラクターの梶井にお腹いっぱい! どっしりと胃にきました。
人と繋がって生きることがどれほど大切か、そのためには自分の心を見せるのが大事なのだ、ということに気付かされました。

ジュンク堂書店新潟店・涌井有紀さん


梶井真奈子という存在に底知れない恐怖を感じながら、自分も同じような一面を持っているのでは、と感じました。嫌なものは見ず、自分にとって都合の良いように物事を改ざんしていく……誰にでもあることで、梶井だけではないと思います。深く考えさせられました。
主人公の里佳が、振り回されながら、傷つけられながらも今に立ち向かい、あがこうとする姿に勇気をもらいました。面白かったです!

丸善岐阜店・大野久美子さん


梶井真奈子から発せられる、いくつもの核心を衝く言葉にひきこまれた。自分のことを省みずにはいられなかった。

浅野書店・大宮和子さん


他人の動きが気になって、毎日が悲喜こもごも。形のないイメージに振り回されて、がんばっているようで、実は苦しんでいるんじゃないか?
そもそも、愛するって、愛されるって、なんだろう?
改めて考えさせられた、深い小説でした。面白かった!

喜久屋書店小樽店・渡邊裕子さん


まいったなあ、読みたくなかった。だってギクリとしてしまうから。
正直、明日からどう生きていこうか、頭を抱えた。
そんな私の口内からは、何も口に入れていないのに、バターの風味が匂ってくる気がする。妙に生々しい。本当に困る。
柚木先生、よくぞここまで突き破った小説を書いてくれましたね。
うらみますよ(最高でした)!

宮脇書店本店・藤村結香さん


食描写がとにかく卑猥でなまめかしく、胃と子宮を同時にまさぐられた気分です(笑)。
たらこバターのパスタは読んだ日の夜に早速作りました。食べている間も、バターのつやとたらこのツブツブをまとった梶井の、プリッとした唇が脳裏に浮かんできて、どうにもいやらしい気持ちになってしまいました。私も確実に梶井に翻弄された一人です。
でも、最後、里佳が前を向いてくれたおかげで、全く嫌な気持ちはしませんでした。
バターたっぷりの中に、少し苦みがあって、爽やかなレモンピールもふわっと香る、まさにカトルカールのような小説でした。

紀伊國屋書店ららぽーと豊洲店・宮澤紗恵子さん


欲望を晒すことに感化されてゆく主人公。読みながら、自分もまた、世間の目のひとつだということを考えさせられました。

ジュンク堂書店梅田ヒルトンプラザ店・藤田聡さん


蠱惑的な匂いに引きずりこまれ、徹夜して読んだ。
あなたもきっと惑わされる。
食とは? 欲望とは? 女とは? 男とは? 友情とは? 夫婦とは? 家族とは? ――あらゆる問いを投げかける、柚木麻子最高傑作。

喜久屋書店明石駅ビル店・松本光平さん


ただただ、バターが食べたくなりました。
あまり食に興味がありませんが、池波正太郎さんの『剣客商売』以来、本を読んで、「作ってみたい! 食べてみたい!」と思いました。

蔦屋書店宮崎高千穂通り店・小澤由美さん


下世話な表現で恐縮なのだが、下手な「婚活本」を読むよりは、この小説を読む方が、よっぽど女子力、いや、男性を魅了する魔性の力を身につけることができるのではないか?
鳥肌ものの指南書として読むのもまた一興。

大垣書店高槻店・井上哲也さん

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