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歴史を考えるヒント

網野善彦/著

539円(税込)

発売日:2012/08/28

  • 文庫

新潮選書売上部数第1位〈21世紀売上部数〉。「本当の日本史」を読み解こう。「教科書で習った歴史とだいぶ違いますね」――宮崎駿

日本、百姓、金融……。歴史の中で出会う言葉に、現代の意味を押しつけていませんか。「国名」は誰が決めたのか。「百姓=農民」という誤解。そして、聖なる「金融」が俗なるものへと堕ちた理由。これらの語義を知ったとき、あなたが見慣れた歴史の、日本の、世界の風景が一変する。みんなが知りたかった「本当の日本史」を、中世史の大家が易しく語り直す。日本像を塗り替える名著。

目次
I 「日本」という国名
歴史と言葉/国名が決まった時/倭人と日本人/日出づるところ
II 列島の多様な地域
日本国の範囲/すべての帝国は道を作る/日本は孤立した島国ではない/平将門の新国家
III 地域名の誕生
「関東」と「関西」/自立していく九州/広域的地名と神仏/気づかれていない地域意識
IV 「普通の人々」の呼称
「人民」と「国民」/手垢にまみれない言葉/柳田学と渋沢学/納税の義務を負う「平民」/「土」が意味するもの
V 誤解された「百姓」
「ひゃくしょう」と「ひゃくせい」/さまざまな生業の「百姓」/多様な人々を指す言葉/一変した江戸時代像/誤解は江戸時代から/「農」の陰に隠れたもの/農本主義と重商主義/貧困な歴史学の用語
VI 不自由民と職能民
古代・中世の不自由民/「奉公人」の出現/博奕の道、好色の道/聖なるものの直属民
VII 被差別民の呼称
差別意識の東と西/ケガレにどう対処するか/伝染するケガレ/ケガレのキヨメ/非人・放免という職能民/死とのかかわり方/ケガレから汚穢へ/差別される人々/今後の課題
VIII 商業用語について
商業取引の高度な伝統/市はどこに立てられたか/「手形」と「切符」の誕生/「手」は何を意味するか/聖なる金融から、俗なる金融へ/「接待」と「談合」の歴史
IX 日常用語の中から
誰のものでもない「落とし物」/神の意思を集約した「落書」/土の中は異界だった/「募る」の三つの意味/「がいな」と「あたん」/中世における「自由」とは/失われた日本語の豊かさ
X あとがき
解説 與那覇潤

書誌情報

読み仮名 レキシヲカンガエルヒント
シリーズ名 新潮文庫
発行形態 文庫
判型 新潮文庫
頁数 224ページ
ISBN 978-4-10-135661-7
C-CODE 0121
整理番号 あ-73-1
ジャンル 歴史学、日本史
定価 539円

著者プロフィール

網野善彦

アミノ・ヨシヒコ

(1928-2004)山梨県生れ。東京大学文学部卒業。日本常民文化研究所研究員、名古屋大学文学部助教授、神奈川大学短期大学部教授、同大学経済学部特任教授を務めた。専門は日本中世史、日本海民史。著書に『日本中世の非農業民と天皇』『無縁・公界・楽』『異形の王権』『蒙古襲来』『日本の歴史をよみなおす 正・続』『日本社会の歴史 上・中・下』『「日本」とは何か』『歴史と出会う』他多数。

判型違い(単行本)

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