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惜別

太宰治/著

693円(税込)

発売日:1973/05/29

  • 文庫

太平洋戦争下に書かれ、書下ろし長編として刊行された太宰文学中期の代表作。

仙台留学時代の若き日の魯迅と日本人学生とのこころ暖まる交遊の描写を通して、日中戦争という暗く不幸な時代に日中相互理解を訴えた表題作。“アカルサハ、ホロビノ姿デアロウカ。人モ家モ、暗イウチハマダ滅亡セヌ”敗戦へとひた走る時代風潮に対する芸術家としての自己の魂を、若き頃からの理想像、源実朝に託して謳う『右大臣実朝』。太宰文学の中期を代表する2編を収める。

書誌情報

読み仮名 セキベツ
シリーズ名 新潮文庫
発行形態 文庫
判型 新潮文庫
頁数 400ページ
ISBN 978-4-10-100610-9
C-CODE 0193
整理番号 た-2-10
ジャンル 文芸作品
定価 693円

どういう本?

タイトロジー(タイトルを読む)

 立つ四五日前に、先生は僕をご自分のお宅に呼んで、そうして僕に先生のお写真を一枚下さった。その写真の裏には『惜別』と二字書かれてあった。そして僕の写真も呉れるようにと希望された。だが僕はその時あいにく写真を撮っていなかった。(本書376ページ)

著者プロフィール

太宰治

ダザイ・オサム

(1909-1948)青森県金木村(現・五所川原市金木町)生れ。本名は津島修治。東大仏文科中退。在学中、非合法運動に関係するが、脱落。酒場の女性と鎌倉の小動崎で心中をはかり、ひとり助かる。1935(昭和10)年、「逆行」が、第1回芥川賞の次席となり、翌年、第一創作集『晩年』を刊行。この頃、パビナール中毒に悩む。1939年、井伏鱒二の世話で石原美知子と結婚、平静をえて「富嶽百景」など多くの佳作を書く。戦後、『斜陽』などで流行作家となるが、『人間失格』を残し山崎富栄と玉川上水で入水自殺。

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