丕緒の⿃ ひしょのとり
オリジナル短編集!
己の役割を全うすべく煩悶し、一途に走る名も無き人々の清廉なる生き様を描く全4編を収録。
737円(税込) ISBN:978-4-10-124058-9
主に舞台となる国
収録作品
・丕緒の鳥
国の繁栄を表す「鳥」を象るため苦悩する官吏・丕緒の物語。
慶国に新王が登極した。即位の礼で行われる鳥に見立てた陶製の的を射る儀式で、工匠である丕緒は、希望を託した「鳥」を大空に羽ばたかすことが叶うのだろうか――。
[主に舞台となる国]慶
・落照の獄
罪人は死して償うべきか。命の意味を問う、司法官・瑛庚の物語。
柳国を舞台に、司法官と連続殺人犯の闘いを描く物語。罪なき人々を殺めた男に死刑を求める声が上がる。だがそれもまた命を奪うことに外ならない――苦悩の末に瑛庚が下した決断とは。
[主に舞台となる国]柳
・青条の蘭
希望を繋ぐ苗を届けるため、王の許へ走る役人・標仲の物語。
山を守る役人は、ある日、立ち枯れていく林を見つける。原因は山毛欅の疫病だった。山が壊れれば里も生命も壊れてしまう……。疫病の薬となる苗を届けるべく、王の許を目指す標仲だったが――。己の仕事を成し遂げようとする、ひたむきな生き様が胸を打つ。
[主に舞台となる国]雁
・風信
家族や友、全てを戦で失った少女・蓮花が出会う、浮世離れした男たちの仕事、それは――。
暦を作る仕事を担う男たちの物語。暦とは日付や予定の確認だけでなく、命を司るものである。生きとし生けるものの命のため、一途な情熱で暦を作り続ける嘉慶たち。その姿を見つめる蓮花の心によぎるものとは……。
[主に舞台となる国]慶